アーティスト
喜多川幸奈、石岡紅緒、キム・ソヒ、YURIAJURIA、海田通孝
東京藝術大学にはファッション学科はありません。しかし、藝大からはこれまで、石岡瑛子やひびのこづえをはじめ、コスチュームや衣装デザインを通して新たな表現を切り拓いてきた作家たちが生まれてきました。また、工芸・染織を基盤に独自のテキスタイル表現を展開する髙橋理子や、伝統工芸と現代ファッションを接続する舘鼻則孝、デザインとアートを横断する岡﨑龍之祐など、それぞれの専門領域を起点に「装い」を探究する実践も数多く生まれています。
本展は、こうした藝大における表現の系譜を踏まえながら、現在進行形で活動する若手作家たちの実践を、「ファッション」という視点から横断的に紹介する試みです。ここでいうファッションとは、衣服を作品の素材として用いることではなく、「着る」「装う」という行為を通して、身体や他者、社会との関係を問い直す表現を指します。本展では、喜多川幸奈、石岡紅緒、キム・ソヒ、YURIAJURIA、海田通孝を紹介します。喜多川は建築から、石岡はニットと家族とのユニット enamel. を通して、キムは衣服と空間を媒介とする行為から、YURIAJURIAは陶芸と「Geidai Snap」を通した身体と日常の記録から、海田は芸術学を背景に絵画・衣服・言葉を往還する批評的実践から、それぞれ「装い」を探究しています。この5名は「藝大ファッション」を代表する作家ではありません。それぞれ異なる専門領域を起点としながら、ファッションへと向かう実践への5つの入口です。本展は展覧会であると同時に、「藝大ファッション」を記録するリサーチ・プロジェクトでもあります。出品作家へのインタビューに加え、藝大で教育・研究に携わる教員へのインタビューを実施し、それぞれの専門領域から「藝大とファッション」について考えてきました。会期中には津村耕佑、山縣良和を迎えた公開インタビューも開催し、「GEIDAI FASHION」という、まだ名前のない表現の系譜を、作品と対話の両面から描き出します。
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