国内にとどまらず、海外のリーディングギャラリーや美術館においても作品を発表し、国際的な評価を確立してきた五木田智央。その表現の根底には、イラストレーション、マンガ、プロレス、そしてレコードといったサブカルチャーへの深い愛着があります。1990年代後半以降、Towa Tei、YMO、METAFIVEをはじめとする数多くのミュージシャンのレコードやCDジャケットを手掛けてきたことも、ファインアートとは異なる文脈で、五木田の名をより広く知らしめる重要な役割を果たしてきました。
本展のタイトルの由来となった『Gokita Records』は、五木田が2002年から2018年にかけて制作し、2018年の個展『PEEKABOO』(東京オペラシティギャラリー)で発表したシリーズです。レコードジャケットをフォーマットとして制作された本シリーズは、五木田自身の趣味や嗜好、そしてユーモアによって構想されたものであり、描かれたモチーフと楽曲との間に、必然的な結びつきはありません。サブカルチャーとの遊び心に満ちた関わりから生まれたこの作品群は、レコードジャケットとしてだけでなく、絵画としても独自の強度を備えています。
本展では、『Gokita Records』の制作方法を引き継ぎながら新たに描き下ろされた、実在しないレコードジャケット「妄想ジャケット」シリーズの100点以上におよぶ新作を一堂に展示します。イラストレーションと絵画の境界を軽やかに行き来する五木田の作品世界を、「妄想ジャケット」の新作とともにお楽しみください。
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