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アーティスト 石野平四郎、植田明志、Entei Ryu、タンノハジメ、蔦本大樹、中西宏彰、森田悠揮、米山啓介
この度SAIでは、ゲームやアニメーション、フィギュア文化など、大衆文化の中で育まれた造形言語を芸術として問い直すアーティスト・コレクティブによる企画展「GOLEM(ゴーレム)」を、8月14日(金)から8月30日(日)の期間開催いたします。GOLEM代表・石野平四郎(いしのへいしろう)がキュレーションを務める本展には、彫刻家、コンセプトデザイナー、原型師、3DCGアーティストなど、それぞれ異なる領域で活動する計8名のアーティストが参加します。 GOLEMとは、展覧会シリーズであると同時に作家たちのコミュニティであり、ひとつの運動でもあります。2022年に3331 Arts Chiyodaで産声を上げて以降、「GOLEM Ph1.5」「GOLEM Ph2」と実践を重ねてきました。参加作家の多くは、ゲームや映像産業の第一線、あるいはワンダーフェスティバルに代表されるフィギュア文化の現場で技術を磨いてきた造形作家たちです。家庭用ゲーム、トレーディングカード、特撮、アニメーション。そうした視覚文化のなかで反復的に生成・流通し、世代的な身体記憶として沈殿してきた異形のイメージは、彼らの手を経ることで、工芸でもフィギュアでもグッズでもない、しかし既存の彫刻の言葉でも語りきれない被造物として、圧倒的な精度と質量をもって私たちの眼前に立ち現れます。 GOLEMという名は、ユダヤの伝承において額に「אמת(真理)」と刻まれることで動き出す土塊の被造物に由来します。最初の一文字を消せば「מת(死)」となり、崩れ落ちる。ゴーレムとは、未完成であり、常に崩壊の可能性を抱えた仮初めの生命です。永続性を前提とする素材も、そうでない素材も含め、多様な物質と技法を横断する作家たちの造形は、堅牢さや保存性ではなく、脆さを抱えながらなおも生きようとする物質への賛美であり、命なき存在に宿る生命力への問いかけでもあります。応答なき物質を、いつか応えうる他者として遇し、細部を刻み続けること。その手つきこそが、GOLEMの作家たちを貫く共通項です。 本展「GOLEM」は、これまでの活動の成果と課題を総括し、展覧会の企画理念、展示の組み立て方、発信方法を再検討したうえで再出発を図る、コレクティブにとっての節目となる展覧会です。それは造形表現を現代美術の文脈へ接続すること自体を目的とするものではありません。「イラスト」や「ゲーム」が芸術領域において独自のジャンルとして定着してきた流れを踏まえ、立体造形を起点とした新たな表現の可能性を探るものです。AI技術の急速な進化によって創造の意味が問い直される現在、本展は身体性、物質性、思想性を武器に、創造の根源へと正面から向き合う場となるでしょう。 なお、会期中に発行される図録には、アーティストの布施琳太郎による本展のための書き下ろし展評を収録。GOLEMという運動に対する批評的な応答は、図録を手に取った方だけが読むことのできるもうひとつの作品となります。効率や最適化とは異なる時間のなかで生成された被造物たち。まだ生きていないものが、いつか何かを返してくるかもしれない。GOLEMは、その予感を造形という実践の中で問い続けます。ぜひ、その到来に立ち会ってください。
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