アーティスト
北三郎(仮名)、勝楽佐代子、勝楽進、工藤夏海+優生手術被害者とともに歩むみやぎの会、小林寶ニ、小林喜美子、佐藤路子(仮名)、社会福祉法人かがやき神戸・つくしんぼ・ぐりいと・ひだまりのなかま、嶋田美子、鈴木由美、政治的な手芸部、高尾辰夫(仮名)、千葉広和
現在の日本では、障害のあるなしにかかわらず、SRHRは聞きなじみのない言葉かもしれません。それは、「自分の体、性や生殖について、誰もが十分な情報を得られ、自分の望むものを選んで決められること」という基本的人権のことをいいます。日本ではいまだに明治時代から続く堕胎罪があり、中絶(妊娠を中断すること)は罪に問われます。そうした中で、ある特定の条件下で中絶を認めてきたのが、優生保護法であり、現在の母体保護法です。ただその「ある条件」は、優生保護法では、特に障害や疾病を持つ人々の身体の自由を侵害するものでした。かつての日本では、1948年から1996年まで成立していた優生保護法のもとで、障害のある人等、特に女性が、本人の同意なく不妊手術や妊娠中絶を強要されるなど、SRHRが奪われてきたのです。
当事者たちは、そうした暴力に対して声を挙げていましたが、国は耳を傾けてきませんでした。2018年1月に宮城県の知的障害女性が提訴し声をあげ、2024年の7月3日には最高裁判所が「旧優生保護法は憲法違反」という判決を下しました。またその後、岸田元首相が謝罪を行い、被害者に謝罪と補償をする法律が成立するなど、進展が見られています。ですが、この問題はたびたび「子供が持てなかった悲しみ」とだけ表現され、SRHRの問題、つまり自分の身体を誰かに勝手に奪われてはいけないという権利の話は、取り上げられないことがよくありました。この展覧会では、かつて、そして今現在も続く、自分の身体を誰かに奪われた歴史と経験を振り返り、改めて強く、「わたしの身体はわたしのもの」なのだと再確認します。今を生きる私たちが、どのような障害をもっていても、どんな人であっても、侵害されてはいけない自分の身体と権利のことを、一緒に考えてみましょう。
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