日常の中で心に引っかかったモノやコトを言葉として残し、そこから生まれる小さな気づきや感覚を出発点として、絵画を制作しています。
人との関わりの中で生まれる距離、歯痒さ、悲しみや痛みなど、自分自身では完全にコントロールすることのできない感情を、動物や植物、身近なモノなどの愛嬌のあるモチーフへと置き換えて表現しています。一見すると親しみやすく柔らかな印象を持つ画面の中に、不穏さや複雑な感情を忍ばせることで、相反する感覚が共存する場をつくっています。
今回の制作では、陶芸家のもとに通いながら陶芸にも取り組み、絵画とは異なる素材や制作方法を通して、表現を広げています。
本展「となりのまばたき」では、人との関わりや自分を取り巻く出来事の中で、他者や外部から受ける影響を通して、自分自身について気づいていくことをたどります。
誰かと過ごした時間、ふとした言葉や仕草。自分ひとりでは見つけられなかった感情が、誰かの存在をきっかけに浮かび上がってくることがあります。相手について考えていたはずが、いつの間にか自分自身の姿を見つめている。そんな感覚です。
となりにいる誰かがそっと目を閉じる一瞬のように、ささやかな気配や視線のゆらぎ。その隙間の中で、自分とは無関係だと思っていた存在が、自分を知るきっかけになることがあります。
だれかの気配に触れながら、ふと自分の輪郭を確かめていく。そうした瞬間をめぐる展覧会になっています。
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