本展では、人間の形を模し、誇張や省略によって生み出された記号的な存在をキャラクターとして扱う。キャラクターは、甘い。三次元に生きる私たち人間の輪郭をなぞりつつも、人の手により誇張や省略を施され、魅力を強調された記号であるキャラクターを、本展では人工甘味料になぞらえる。人工甘味料は、砂糖の甘さを模してつくられながらも、それより強い甘味を持つ一方で、身体を満たす栄養にはならない。同じようにキャラクターもまた、現実に存在する人間の輪郭を持ちながら、現実にはない強い甘さを漂わせる存在である。私たちはその存在に惹かれ、日常的にそれを摂取し、そこから受け取ったものを糧として作品を生み出している。では、身体にとって「カロリー・ゼロ」であるはずのものから生まれた作品もまた、「カロリー・ゼロ」なのだろうか。本展では、植村、若松それぞれの思考と手法によって生み出された「人工甘味料」を展示する。栄養にはならないはずの甘い虚構の摂取は、私たち、ないしはそこから生まれる作品にどのような影響を与えているのか。会場に並んだ作品群を見て、考える。
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