複雑な歴史的背景をもつベラルーシ出身で、異文化的視座からの日本画という手法で周縁化された人々の社会的事象を現前化するイリヤ・イェラシェビッチ。自身のルーツを起点とし、新聞紙を用い、鉛筆で黒く塗りつぶした紙面から文字や写真を表出させ、個人を越え、人類全体に関わる社会的課題を浮き彫りにする作品で知られる金沢寿美。 農や先史時代の芸術、民俗学的学説を参照しながらブルーシートなどの工業製品を使用し、自然の脅威や、周縁化された女性像を現代的に再考する、広島出身の彫刻家・久保寛子。広島に寄せられる折り鶴を題材に作品を制作し、2014年には宮島・大聖院で大量の折り鶴のお焚き上げを行うなど、広島との関わりを重ねてきたChim↑Pom from Smappa!Group。宮島行きのフェリーに乗ると、白い波が湧き立ち、細かく揺れては後に流されていく。島へ渡るその時間もまた、日常から離れ、異なる時間へと身を移していくひとつのプロセスなのかもしれません。こういった刹那的な時間の流れにも目を向けながら、大聖院という場と作品を通じ、いま生きることを考える。答えのない時間を逡巡する機会を提示します。
まだコメントはありません