GALLERY ROOM・Aでは、タカハシマホによる新作個展「おきても(そばに)いてね」を開催いたします。
タカハシマホは、幼少期の記憶や感情を出発点に、個人的な経験が時間や他者との関わりの中でどのように意味を変えていくのかを探りながら制作を行っています。幼少期を、まだ何ものにも明確に定義されていない時間として捉え、記憶や価値が変化し続ける状態を絵画として描いています。
本展では、玩具のベッドをモチーフとした新作シリーズ《Bedside Stories》を展開します。ベッドは、眠るための場所であると同時に、外の世界から一時的に離れ、自らの内側に意識が向かう場所でもあります。眠りにつく前の時間には、記憶や想像、不安や安心といったさまざまな感覚が重なり合います。本シリーズにおけるベッドは、そうした内的な世界が立ち現れる場として描かれています。作品の中でベッドは、花や森などの自然の中に置かれています。生命が生まれ、育ち、そして失われていく自然の循環の中に、子どもやぬいぐるみの姿が描かれます。そこには生命に包まれる感覚とともに、わずかな孤独や不安、何かに身を寄せる感覚が共存しています。
「おきても(そばに)いてね」というタイトルには、眠りから目覚めた後も、そばにあるものの存在を願う感覚が込められています。個人的な記憶から出発しながら、時間の経過や環境の変化によって、同じものが異なる意味を帯びていく。そうしたタカハシの制作に通底するテーマは、本シリーズにおいて、ベッドという親密な空間を通して静かに描き出されています。記憶と現在、安心と不安、個と世界。そのあいだにある揺らぎを描くタカハシマホの新作を、ぜひ会場でご覧ください。
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