奥村の作品では子供の頃に書かれた、たわいのないキャラクターのなぞり線や、観光地に残された落書きなど様々な日常的な筆跡をモチーフとして絵画やインスタレーションへと展開しています。2024年の作品「Perspective structures of Palimpsest」では、奥村の祖父母が営んでいたひもの屋の「帳簿」に着目しています。発注や記録のために日付や数字が折り重なるように書き込まれたノート。そのノートには幼き奥村がキャラクターの落書きを書き込んだ痕跡も残されており、ページの裏表にインクが染み出している様子や、その上に仕事としてのメモ書きが重ね書きされているなど、それら物理的なマテリアルや文脈が干渉し合ったページを再解釈し新たな絵画空間として具現化しています。
まだコメントはありません