KYOKでは2026年7月2日より、奥村美海 個展 トレースノートを開催いたします。奥村は現在、東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程に在籍している現代美術作家です。近年の展覧会では2024年に個展「マイクロレター」(亀戸アートセンター/東京)や2025年に個展「もも、Qうしゅう、32850日」(TOKAS本郷/東京)を開催するなど、精力的に活動しています。
奥村の作品では子供の頃に書かれた、たわいのないキャラクターのなぞり線や、観光地に残された落書きなど様々な日常的な筆跡をモチーフとして絵画やインスタレーションへと展開しています。2024年の作品「Perspective structures of Palimpsest」では、奥村の祖父母が営んでいたひもの屋の「帳簿」に着目しています。発注や記録のために日付や数字が折り重なるように書き込まれたノート。そのノートには幼き奥村がキャラクターの落書きを書き込んだ痕跡も残されており、ページの裏表にインクが染み出している様子や、その上に仕事としてのメモ書きが重ね書きされているなど、それら物理的なマテリアルや文脈が干渉し合ったページを再解釈し新たな絵画空間として具現化しています。
奥村はこのような日常に強く結びついて書かれる筆跡を「マイクロレター」と名付け、”大きな歴史に回収されずになんとか生き延びる人々の声が、パリンプセストのように積層されていると捉えられないだろうか”と言います。KYOKにおいて「マイクロレター」がどのように拾い上げられ、空間に展開されるのか、ぜひ多くの方にご覧頂けますと幸いです。
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