今年、熊本県立美術館は開館50周年を迎えました。当館では、昭和51年(1976)の開館から間もない頃から、県内寺社に伝来する資料の調査を行ってきました。「仏像」といえば、京都や奈良の寺院に安置されているのが真っ先に思い浮かぶかもしれませんが、熊本にも、歴史を越えて受け継がれ、信仰を集めてきた仏像があります。調査によって明らかになったのは、そうした知られざる仏像と時代に応じて形を変えてきた祈りの様相でした。
本展覧会は、開館50周年の節目に熊本の仏像にスポットを当て、当館による調査研究の成果にもとづいて厳選した仏像彫刻の名品が一堂に会します。また、当館として初めて中世の肥後と深い関係にある京都の国宝仏を特別公開します。
本年は平成28年熊本地震から10年になりますが、今年7月28日には、再び最大震度7を記録する大地震に見舞われました。この10年の間には令和2年7月豪雨等の豪雨災害もあり、文化財の被災事例は後を絶ちません。そのたびに、県内外の関係者が連携して文化財レスキューが行われ、当館をはじめとした調査成果が発災直後の初動対応となる文化財の被災状況把握に役立てられています。そうして救出された文化財は、現在も地域の人々の営みを伝える生き証人であり続けています。本展では、守り継いできた人々の思いにも目を向けていただき、仏像を通してみた歴史の奥深さと、未来へ引き継ぐことの大切さを知っていただければ幸いです。
前期: 10月9日(金曜日)~11月1日(日曜日)
後期: 11月3日(火曜日)~11月29日(日曜日)
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