東條會館写真研究所では、写真家 鈴木のぞみによる「Looking Through Glass | ガラス越しの眼差し」を開催します。鏡や窓、レンズ──光を通して世界を映し出すこれらの事物は、私たちの視覚を拡張するとともに、「見ること」と「見られること」を媒介し、人と世界との関係をかたちづくってきました。鈴木のぞみは本展で、19世紀以降の光学機器や写真に着目し、人々の「見る」という経験がどのように形づくられてきたのかを探究しています。眼鏡や望遠鏡、写真制作に用いられてきた道具、そして窓など、人々が世界に眼差しを向けてきたさまざまなガラスに感光剤を塗布し、そこに像を焼き付けることで、眼差しに潜む歴史や記憶を浮かび上がらせます。
会場となる東條會館写真研究所は、100年以上にわたり肖像写真を撮影し、人々の人生の節目を記録してきた場所です。そこには、日本の肖像文化とともに、一枚一枚の写真に刻まれた、名もなき個人や家族の記憶が積み重ねられています。「写されること」から始まった日本の写真は、専門的な時代を経て、今や誰でもデータとして残せることが当たり前となりました。大きな歴史と個人の記憶が交わるこの場所で、江戸後期に蘭学を通して西洋光学がもたらされてから戦後に至るまで、ガラス越しに世界をとらえてきたさまざまな眼差しを作品を通して体感いただき、過去と現在を見つめ直す契機となれば幸いです。
[関連イベント]
ワークショップ 「夜空へ『まなざし』を向ける」
日時: 2026年10月23日18:30〜
※イベント詳細は公式ホームページよりご確認ください。
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