[画像: A'Driane Nieves / feeling everything so deeply, honestly, and without shame for doing so is what has liberated me the most / Acrylic, house paint and graphite on Belgian linen / 162.6 x 182.9 cm / 2023 / Courtesy of the artist and Galerie Marguo]

「Resonant Harmonies」

STANDING PINE 東京
5月25日終了

アーティスト

アンソニー・デイリー、テゲネ・クンビ、エイドリアン・ニーヴス
STANDING PINEは、アフリカ現代美術やアフリカにルーツのあるアーティストを紹介するシリーズ企画「Stories from Africa: Chapter 2」として、名古屋と東京の両ギャラリーにて国際的に活躍するブラックアーティストを紹介する2つの展覧会を開催いたします。

STANDING PINE東京では、4月27日(土)より、ブラックアーティスト3名によるグループ展「Resonant Harmonies」を開催いたします。本展では、ゲストキュレーターにデクスター・ウィンバリーを迎え、アンソニー・デイリー、テゲネ・クンビ、エイドリアン・ニーヴスの作品を展示いたします。

抽象絵画は、我々に文字通りのものを超えて知覚させ、感情、思考、解釈の領域まで探求するよう刺激します。あらかじめ決められた物語に固執するのではなく、表現の自由を促し、個人的なレンズを通してその意味を読み解くよう鑑賞者を誘います。デクスター・ウィンバリーのキュレーションによる「Resonant Harmonies」では、力強く、そして特異な方法で抽象表現に取り組んでいる3人の重要な現代アーティストによる近作・新作を紹介いたします。

アンソニー・デイリーの作品は、抽象画に深く根ざしていますが、その作品の制作はしばしば静物画を描くことから始まり、形を失い感情的な反応を呼び起こすまで作り直されます。「私は、決まったパレットを持たないことで、我を忘れるのです。絵の具を持ち歩いて、必要なものを引き出すのが好きなのです。それは、会話や音楽のようなものです。色を聞いて、それをテーブルから選ぶだけでいいのです」。とデイリーは語ります。

彼のキャンバスに繰り返し描かれる即興的な絵の具の滴と爆発的な色彩のフィールドは、「生の肉体的な描くという行為」に対する彼の献身を示しており、デイリーが芸術制作のプロセスそのものを常に重要視してきたこと、そして何よりも「新しい絵画的可能性を探求すること」を示しています。

彼はこう続けます。「オールドマスター(ヨーロッパ)の絵画を見ずに絵を描き始めたことはないと思います。絵の形のような単純なものからインスピレーションを得て、自分自身の絵を描くのです。美術史をめぐって自分自身と戦いながら、アトリエはそれらの問題に対処する場所となり、そしてまた研究を重ね新たな絵を描き始めるのです、そう、美というものを追いかけて。私は、常に美というものに戦いを挑まれているのです。年を取るにつれて、それが無限のものであり、到達不可能なものであることに気づきます。しかし、私は今もなおそれを追い求めているのです。」

テゲネ・クンビはエチオピアの現代抽象画家であり、場所、政治、抽象の本質的な問題を扱っています。小品から大作まで、クンビの作品は、カラーブロックと色混合、重厚なテクスチャーの油彩、母国エチオピアにちなんだ明るくカラフルな柄のテキスタイルを独特な方法で使用し発展してきました。

風景や色と形の弁証法的な力に明確な関心を持つクンビの作品は、作品の物質性と主題の間を押し引きする収縮を実践しています。母国の土地や文化的記号を参照しながら、あらゆる要素の調和を探し求めます。テクスチャーの上にテクスチャーを、色の上に色を重ね、それぞれの作品に個性を求めます。各作品は、彼が費やす時間の集合体であり、日常的な挑戦こそが、それらに将来起こりうる結果を定めるのです。その結果、場所、人々、生きた歴史の地図が出来上がるのです。

クンビの活動は、絵画史の研究と分析の実践でもあります。西ヨーロッパとロシアのアカデミックな写実主義の伝統の中で教育を受けた彼の作品は、風景に対する概念を打ち破ろうとしています。彼は、抽象に対する歴史的な理解とその機能と並行する反抗的な行為を通して、視覚的表現の限界を突き破るために、素材、色彩、ノスタルジアの概念について絵画的かつ抽象的な理解を実証しているのです。

エイドリアン・ニーヴスの直感に基づく絵画制作は、彼女の記憶、感情、経験から多く引き出されています。彼女の内なる真実や思考を表現するために、身体的な動きや音楽に頼りながら、一挙に絵を完成させることも多々あります。抽象と表現力豊かな筆跡を通して、ニーヴスは適応、回復、癒し、変容といった生物学的、感情的な内的プロセスを目に見える形にしています。彼女の絵画は、黒人であり、クィアであり、ニューロダイバージェントである彼女の人間性を余すところなく表現しています。また、彼女は、彼女の作品によって、鑑賞者が恐れることなく自分自身を完全に表現する勇気と強さを見出す励みになることを願っています。

ニーヴスは、ジョアン・ミッチェル、サイ・トゥオンブリー、アルマ・トーマス、メアリー・ラブレス・オニールなどのアーティストに影響を受けています。彼女の作品は、静かな内省と瞑想のための空間を提供しています。ニーヴスは、彼女の活動において、文章を書くことと視覚的な要素の両方が、自分の声を見つけ、長く埋もれていた感情を安全に解放する機会を与えてくれたと信じています。彼女の複数の学問分野にまたがる活動は、遺伝的なものであれ、歴史的なものであれ、個人的なものであれ、トラウマの身体的、後世的、心理的、社会情緒的に与える影響に焦点を当て、それが我々の人生の過程でどのようにアイデンティティを形成し、変化させ、再定義するのかを明らかにするものなのです。

スケジュール

開催中

2024年4月27日(土)〜2024年5月25日(土)あと23日

開館情報

時間
12:0018:00
休館日
日曜日、月曜日、祝日

オープニングパーティー 2024年4月27日(土) 17:00 から 19:00 まで

入場料無料
展覧会URLhttps://standingpine.jp/exhibitions/36
会場STANDING PINE 東京
https://standingpine.jp/
住所〒140-0002 東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex Ⅰ 3F
アクセスりんかい線天王洲アイル駅B出口より徒歩9分、東京モノレール天王洲アイル駅南口より徒歩10分、京急本線新馬場駅北口より徒歩9分、JR品川駅港南口より都営バス「天王洲橋」下車徒歩4分
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