ロバート・クシュナー(Robert Kushner, 1949–)は、1970年代にニューヨークで始まった美術運動「パターン&デコレーション(Pattern and Decoration / P&D)」を代表する作家のひとりです。
クシュナーの芸術を語るうえで重要な要素のひとつが「装飾」です。1970年代のアメリカ美術では、ミニマリズムやコンセプチュアル・アートが大きな影響力を持つなか、P&Dの作家たちは、模様、色彩、布、工芸、装飾といった要素を積極的に作品へ取り込みました。また、クシュナーの作品には、アンリ・マティスをはじめとするヨーロッパ・モダニズムの影響を受けた色彩、線への繊細な感覚、そして日本美術からの深い影響も見られます。なかでも伊藤若冲は、長年にわたり彼が敬愛してきた画家のひとりです。《Ode to Jakuchu(若冲への頌歌)》は、若冲へのオマージュとして制作されたシリーズです。花々の生命感をとらえた自由な線と鮮やかな色彩のなかに、若冲への敬意と、クシュナー自身が長年追求してきた「花の絵画」が重なり合います。東洋と西洋、伝統と現代。その豊かな対話から生まれる、クシュナー独自の花の世界をご覧ください。
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