国立映画アーカイブ東京国立近代美術館が1968年に「返還映画」を冠した特集上映を組んで以来、およそ半世紀ぶりとなる2023年度に国立映画アーカイブは「第一次・劇映画篇」と題して「返還映画コレクション」を開催しました。以降3年にわたって続けてきた同特集ですが、4回目となる本年度は「返還映画コレクション(4)――文化・ニュース・漫画映画篇」を公益社団法人 映像文化製作者連盟と共同で開催します。
アメリカ議会図書館に約1,400本におよぶ戦前・戦中期の日本映画が残存している事実が判明したのは、1964年のことです。日米双方による事前調査と折衝を経て、1967年11月8日に「交換協定文書」が調印され、日本側が返還を希望した可燃性フィルム群が里帰りを果たしました。その後の困難な整理・不燃化作業を経て、国立映画アーカイブの基盤となるコレクションを形成した「返還映画」の中には、劇映画のカテゴリーに含まれない作品、すなわち当時の文化・風俗・社会情勢が記録されている作品や、時局を反映して戦意昂揚を目的とした作品など、貴重な文化映画・ニュース映画・漫画映画(アニメーション映画)が含まれていました。これらの作品の数は劇映画をはるかに上回るものでした。
本企画は、第一次から第三次にかけてアメリカ議会図書館から段階的に返還を受けた文化・ニュース・漫画映画を28プログラム(113作品)に組んで上映する大規模な回顧特集です。これらの映画の一部は、フィルムセンター時代の企画「日本の記録映画特集――戦前篇」(1973)、「フィルムは記録する’97:日本の文化・記録映画作家たち」(1997)、「フィルムで見る20世紀の日本」(2002)などで個別に採りあげてきましたが、コレクションという形でまとめて上映するのは今回が初となります。『支那事変後方記録 上海』(1938)をはじめとした日本のドキュメンタリー映画史を代表する作品や、国策アニメーションとして名高い『桃太郎の海鷲』(1942)などはもちろんのこと、ほとんど上映の機会がなかった作品を数多く選定することで、返還映画の文化・ニュース・漫画映画の全体像を一望できる企画となっております。皆様のご来場をお待ちしております。
会場: 小ホール(地下1階)
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