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内田聖良 「新しい女神の想像:山」

PARA神保町
終了しました

アーティスト

内田聖良
内田聖良による個展「新しい女神の想像:山」を開催します。内田はAmazonなどの既存のプラットフォームを用い、そこに私的な物語や脱規範的な価値観に基づいた物・データなどを様々な形で「流通」させなおすことで、それらが前提にしてきた価値観やシステムの秩序に問いを投げかける作家です。近年は、2016年―2022年に東北に住んだことをきっかけに、科学の発展の影で衰退しつつある信仰や民話などが、目に見えない存在を身近に感じさせたり、村社会でのコミュニケーションを柔らかくするなどといった「機能」に着目し、それらを現代的なテクノロジーを用いて再展開させる活動を行っています。

内田は今回、山岳信仰における「女神」の物語をもとに、その語り直しを試みます。リサーチの中で、内田は山岳信仰において一般に女人禁制の根拠として語られる「女性が嫌いで、若い男が好きである」という「山の女神」の性格が、実は修行のために都合の良いよう後に付け加えられた点に注目しました。そして、女神は人間の女性に出会うことを阻まれ孤立させられた存在ではないかと仮定します。また、女神が恐れられた理由である噴火=怒りの理由が、男の神に浮気を疑われたことだったにもかかわらず、関係のない「女性嫌い」という性格を与えられていることから、女神は自身の訴えや言葉を聞いてもらえていない存在でもあると仮定しました。
このように、男性によって都合よく語り直された女神の物語を、ネット社会の炎上と山の噴火、またハラスメントなどを訴えた被害者が孤立する姿など現代社会に生きていれば誰にでも起こり得る孤独や怒りの経験と重ねます。そして、怒りや孤独を共有し合うための存在として、女神の物語を語り直すことを試みます。

展覧会のタイトル、「新しい女神の想像」は、ベティ・フリーダン著『新しい女性の創造(原題:The Feminine Mystique)』に由来しています。『新しい女性の創造』は、第二次世界大戦後に家庭に帰った女性たちが、与えられた「女性はこうあるべき」といういわゆる「神話」的な生活に満足できなかったことから、つくられた「女らしさ」に問いを投げかけ、女性の新しい生き方について論じ、米国の第二波フェミニズムのきっかけとなった本です。
今回の内田の試みは、女性と男性・女神と女性を隔てるために流通してきた「つくられた女神」の物語を、他者への想像や共感をするための「新しい女神」として想像しなおすための試みなのです。

今回の展示に先行して開催されたワークショップでは「怒りを鎮めるもの」や「心の支えにしているもの」を持ち寄り、物を通して互いの怒りや孤立の経験を想像し、それぞれの物語が込められたものを3Dスキャンを行いました。今回の展示は、そのインタビューや様々な人を支えてきた「物」から、スマートフォンに搭載されたカメラやQRコード読み取り機能を用いて、誰の内にもありえる「女神」の姿を想像する「ありえるかもしれない信仰」の物語を体験するインスタレーションです。

[関連イベント]
トークイベント
日時: 9月28日(木)19:30-21:00
ゲスト: 堀内奈穂子
※イベント詳細・お申し込み方法は公式ホームページよりご確認ください。

スケジュール

2023年9月27日(水)〜2023年10月9日(月)

開館情報

時間
15:0020:00
入場料500円
展覧会URLhttps://paratheater.com/e62160cd155642dca9f306bc6245dc59
会場PARA神保町
https://paratheater.com/
住所〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2-20-12 第二冨士ビル 4F
アクセス都営三田線・新宿線・東京メトロ半蔵門線神保町駅A4出口より徒歩2分、東京メトロ東西線・半蔵門線九段下駅5番出口より徒歩6分、JR総武線水道橋駅東口より徒歩10分
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