ジャンルや固定観念にとらわれない「音楽」を軸とした表現活動を行うアーティストによるパフォーマンスを紹介するシリーズの第6弾。今回のアーティストは、京都を拠点に活動し電子音響、パフォーミングアーツ、現代美術、伝統工芸など幅広い領域を横断して作品を制作している武田真彦です。本作は、西陣織を継ぐことができなかった家業の歴史を背景に、「織る」行為を再定義する試みであり、舞台パフォーマンスです。「織る」とは、断片をつなぎ、連続性を編み出す行為であり、同時に欠落や断絶を内包しながら新たな関係を立ち上げるプロセスでもあります。本作では、音・声・香・身体・配置といった要素を、完成された表現として提示するのではなく、それらが立ち上がる条件や関係性そのものを舞台上に配置していきます。茶の湯における「配置」という美学、雅楽に見られる繰り返し・間の取り方などの時間構造、ジョン・ケージやサティに通じる非中心的な作曲観を手がかりに、演奏者・観客・空間が相互に影響し合う舞台を構想します。ここでの上演は、音楽を演じる場というよりも、出来事が静かに織り上がっていくための一時的な織機となるような場を創出します。
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