金属を金鎚で叩く際に生じる音を「鎚音(つちおん)」と呼びます。
本展は金属工芸の「鍛金」という、金鎚で金属を叩き変形させて接合する技法から造形制作を試みる、3人の制作者の展覧会です。古来より人と共存してきた金属を用いて、現代を生きる3人は共通して「生命感」をテーマに制作してきました。
今井貴絵は、鍛金の制作過程と造形物の空洞な内部に「生と死」の感覚を覚えるといい、同様の感覚を想起させるモチーフを組み合わせ独自の生きものを制作しています。
佟昊霖は、生命の裏側で肉体の支柱として存在する「骨格」を造形します。素材との対話に導かれながら、「生命の裏側に存在する別様な生命感」を描きたいといいます。
游嘉萍は、鍛金と打ち出し技法による表現を得意としています。游は生き物がゆっくりと状態を変えてゆく様を、「生命の延伸」としての観点と探究しています。
「仲町の家」は古くから人々が大切に守り受け継いできた美しい空間です。ここには過去と未来が融合し、創造的な場として発展していく願いが込められています。
3人が放つ「鎚音」による「生命感」と「仲町の家」との共鳴を感じていただけると幸いです。
まだコメントはありません