高橋 遥 《sasamorpha borealis》 2026 beeswax, cotton sheeting, persimmon tannin, wood 147 × 110 × 38 mm

スヨン + 高橋遥 「underflow」

biscuit gallery Over/Under Karuizawa

#絵画・平面

10月24日開始
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アーティスト

スヨン、高橋遥
「軽井沢」という地名の由来は、水の涸れた沢を意味するという説があるそうです。ただし、水が涸れているのは地表だけで、地中には水が流れていて、少し雨が降れば顔を出してくる場所が多くあります。観光名所としても知られる「白糸の滝」も同様です。滝は川から繋がって落ちているのではなく、浅間山に降った雪が何年もの時間を超えて地下を通り、地層と軽石層の境目から湧き出して流れ落ちているのです。本二人展の出展作家、スヨンと高橋遥の制作スタイルも、軽井沢の土地のように例えられるでしょう。二重に重ねた薄い綿布や、透けて見える方眼紙を支持体に使うスヨンの作品は、ひと目見て捉えられるイメージと、支持体のはかなさが作り出す透明感や、吸い込まれるような奥深さを感じさせます。ファブリックを使ったインスタレーションも同様に、向こう側が透けるため輪郭はほどけ、像は像のまま定まりません。日常のささやかな温もりや手触りを画面に留めながら、それが移ろうものであることを同時に表現するスタイルです。

一方の高橋遥は、油彩やパステルに柿渋を重ね、木製のパーツを組み合わせて、支持体そのものを作り上げていきます。絵は平らなまま留まらず、厚みと凹凸を持って壁から立ち上がってきます。素材を層として積み上げたその断面は、地層と軽石層が重なるこの土地の成り立ちにも通じるものです。高橋が見つめているのは、人が持つ「実在感」です。蓋をされて地表から見えなくなった川、すなわち暗渠は、近作でそのメタファーとして選ばれたものです。見えないものを無理に見えるようにするのではなく、蓋をされてもなお流れつづけている水のように、自分が自分の内に抱えている感覚とその揺らぎを、物質の手触りとして留めようとするスタイルです。

本展「underflow」は、そうした2人の作家による二人展です。underflow とは、地表の下を流れる水を指す言葉です。同時に計算機の世界でも使われていて、値が小さすぎて桁に収まらず、ゼロとして処理されてしまう現象を意味します。支持体を透かしていくスヨンと、支持体に厚みを与えていく高橋。手つきはまるで反対を向いていますが、二人が触れようとしているものは同じです。見えないまま、確かにそこにあるもの。本展はそうしたアプローチに触れる展覧会です。

スケジュール

2026年10月24日(土)〜2026年12月26日(土)

開館情報

時間
12:00 〜 17:00
休館日
不定期開廊

オープニングパーティー 2026年10月24日(土) 12:00 から 14:00 まで

観覧料無料
展覧会URLhttps://biscuitgallery.com/underflow/
会場biscuit gallery Over/Under Karuizawa
https://biscuitgallery.com/karuizawa/
住所〒389-0102 長野県北佐久郡軽井沢町旧軽井沢748-2
アクセスJR軽井沢駅よりタクシー5分

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