髙島野十郎(1890–1975)は、「蝋燭」や「月」などを独特の写実的筆致で描く福岡県久留米市出身の洋画家です。没後50年の節目に開催する本展は、代表作はもちろんのこと、初公開も含めた約180点を展示する過去最大規模の回顧展で、栃木県内では約10年ぶりの開催となります。 「孤高の画家」と呼ばれてきた彼の芸術が形成されたルーツを遡り、生涯、野十郎が自身のよりどころとしてきた仏教的思想を読み解きつつ、青年期や滞欧期の作品など、従来の展覧会ではそれほど大きく取り上げられることがなかった部分にも焦点を当て、その芸術の真髄に迫ります。 流行や時代の趨勢に流されず、美術団体にも属さず、理想の絵画を追求しつづけるストイックな生き方を貫いた一方で、その絵を愛し、素朴かつ気骨ある生き方に共感する人が数多くいたことは、「孤高の画家」像からは想像しにくい一面かもしれません。野十郎に魅せられた人々が守ってきた作品や、交わした言葉が残る書簡などを通して、彼らの眼が捉えた野十郎の生身の姿を紹介します。この秋、まだ知らない髙島野十郎の新たな一面に出会ってみませんか。
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