この度HECTAREでは、美術家/写真家・苅部太郎による個展「COGNITOGRAPHY」を開催いたします。写真は長らく、現実を記録し、真実を証明するメディアとして社会の中で機能してきました。しかし、画像生成AIの登場によって、写実的なイメージはカメラを介さずとも生み出されるようになり、写真とは何かという前提そのものが揺らぎ始めています。
本展で苅部は、新たに提唱する「COGNITOGRAPHY(コグニトグラフィー)」という概念を通して、この変化に向き合います。それは目の前の現実を光を使ってカメラで写すことではなく、人間や機械がどのように世界を認識し、イメージを成立させているのか、その見えない構造を写真として捉えようとする試みです。新作《Latent Image/潜像》では、「見ること」そのものを問い直したマレーヴィチの《黒い正方形》と19世紀以降のフランス中心の絵画を、画像生成AI上で交差させています。そこに現れる格子状の痕跡は、AIが世界を認識する内部構造をレントゲンのように映し出しています。さらに、その構造は人間の視覚が世界を知覚し、秩序立てて理解していく過程に見立てることができます。本作は、機械と人間に共通する「見る」という行為の基盤そのものを浮かび上がらせています。一方、《写真擬のシンフォニエッタ》では、歴史の中で真実として流通してきたフェイク写真を起点に、写真が持つ虚構性と、私たちが何を「本物」と信じるのかという社会的な認識の仕組みを問い直します。ここでは生成AIは画像を生み出す主体ではなく、異なるイメージをつなぎ合わせる表現手段として用いられています。
写真の誕生が絵画を写実から解放したとされるように、苅部は生成AIの登場によって写真もまた新たな転換点を迎えていると捉えます。本展では、写真というメディアのこれからを考えるとともに、私たち自身の「見る」という行為そのものを見つめ直す機会となるでしょう。
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日時: 2026年9月19日15:00〜
登壇者: 苅部太郎、速水惟広
会場: Hectare
※イベント詳細は公式ホームページよりご確認ください。
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