渋谷区立松濤美術館アーティスト
村上隆、松本喜三郎、向井良吉、安本亀八、小島与一 他
日本の人形といったら、みなさんは何を思いおこすでしょうか。お雛様?呪い人形?それともフィギュアでしょうか?はたまた、生人形や蠟人形、マネキンも、日本の人形を語る上で欠かせないものでしょう。
このように日本の人形は、もはや、体系化することが難しいほどに多様な種類があふれているのです。
そして、日本の人形の歴史を振り返れば、民俗、考古、工芸、彫刻、玩具、現代美術と、実にさまざまなジャンルのボーダーラインを縦横無尽に飛び越えながらあり続けていることがわかります。分野を問わない、曖昧な存在を武器として生きながらえてきた唯一無二の造形物が人形といえるでしょう。
本展は、そんな日本の人形の一括りにはできない複雑な様相を、あえて「芸術」という枠に押し込めず、多様性をもつ人形そのものとして紹介することで、日本の立体造形の根底に脈々と流れてきた精神を問うものです。
何かに縛られることなく軽やかに境界を越えていく日本の人形は、普段、私たちが囚われている「美術」、あるいは「芸術」という概念にさえ揺さぶりをかけます。私たちは一体何を「芸術」とし、何を「芸術」ではないとしているのか。それは果たして正しいのか。人形をとおし「芸術」そのものを考える機会となるでしょう。
前期: 7月1日(土)~7月30日(日)
後期: 8月1日(火)~8月27日(日)
※会期中、一部展示替えがあります
[関連イベント]
展覧会担当学芸員によるピンポイントトーク
7月30日(日): 肉体のリアルは人形のリアルか —生人形、マネキン、現代美術まで
8月11日(金・祝): 呪って、守って、愛して♡ 人形は人間? —呪詛人形、お雛様、現代美術まで
8月26日(土): 彫刻と人形のただならぬ関係
各日: 14:00~ (約30分)
会場: 地下2階ホール (直接会場へお越しください)
各回定員: 60名(先着順)
※無料(要入館料)、予約不要