草間彌生は、幼少期の幻覚体験を「輝き」「煌きらめき」「オーラ」と表現しています。内なるヴィジョンからあふれ出たその輝きは、現実世界の光の描写を超え、作品そのものに宿るかのようです。本展は、草間芸術を「光」という新たな切り口から紐解きます。1950年代のドローイングや帰国後に制作されたコラージュに見られる、暗闇の中にイメージが光を帯びて浮かび上がるような表現。渡米期に確立された「無限の網」シリーズでの画面が淡く光を放つような視覚効果や、80年代以降の極彩色あふれる鮮烈な光彩を放つ絵画群。全画業の集大成ともいえる近年の大型絵画シリーズ「わが永遠の魂」の画面を彩るメタリックの光沢や、禁欲的なモノクローム(単色)と爆発的なポリクローム(多色)の双極へと広がる色彩表現。こうした光への志向は、草間芸術の根底を貫いています。鏡や電飾が夢幻的空間を織りなすミラールームや、ラメを用いた版画や立体作品では、光は表現対象にとどまらず、作品を形づくる要素そのものへと発展を遂げてきました。さらには、金属箔輝くモザイクタイルで彩られた大型立体作品、日本初公開の鏡を用いた梯子の屋外立体作品など、多彩な素材が放つ光のヴァリエーションを展覧。その幻想的な煌めきは鑑賞者を包み込むほどに拡大していきます。「創作の源」であり「表現の手段」である光。内的世界にとめどなく溢れる輝きを豊かな作品へと昇華する、草間の創造の軌跡をぜひご覧ください。
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