舞妓を描く女流作家の第一人者として、半世紀近く京都の舞妓を描き続けた種房ひさ子(1932-2018)による2000年代以降の大作20点を含む油彩による舞妓作品約30点を展示。1970年代、京都で初めて舞妓と出会ったとき、その美しさに心を奪われたひさ子は、世界のいかなる民族衣装よりも、舞妓の装いほど豪華で、洗練された美を持つものはない──、そしてその魅力を表現するには「油彩でこそ」と信じ、以来、生涯にわたり舞妓を描き続けました。
千年の都・京都。その風土に育まれた粋筋の女性たちには、長い歴史の中で磨き上げられ、様式化された伝統美が、時代を超えて今なお息づいていますが、ひさ子が惹かれたのは、その伝統だけではなく、伝統を纏いながら、現代という時代を生き、笑い、悩み、成長していく若い舞妓たちとの美しいコントラストだったのです。限られた舞妓時代(多くは15歳から20歳の間)の中で、四季とともに装いを変え、芸を磨き、少女から凛とした舞妓へと成長していく、儚くも美しい時間を描き残したいという思いで、ひさ子は最期の瞬間まで筆を取り続けました。この展覧会では、ひさ子が魅了されて生涯のモチーフとして描いた、京都五花街に受け継がれてきた生きた伝統美、日本文化ならではの様式美、そして舞妓たち一人ひとりが放つ個性と輝きを感じていただけましたら幸いです。
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