野津俊道は、自身の作品制作にいくつかのルールを課すようにしています。まず使用する素材は美術用の素材は避け、自分の生活、人生、労働などに由来するもの、しばしば廃材や、拾ってきたもの、不燃ごみのようなものが使われます。また、技法に関しては小中学校の工作のように、出来るだけ上手にならないように気を付けています。そして、スタイルやテーマにもこだわらず、時事折々に気が付いたこと、考えたこと、不思議に思ったことを、具象、抽象にとらわれずに形にしていきます。
総じて、既存の芸術概念、彫刻の概念に囚われないため、自由であるためのアンチテーゼであり、大事なのは自身にとってのリアリティーなのです。自身からすれば「見ての通りのものです」としか言いようがないのですが、しいて言うならば、「造形記号を用いて構築した立体散文詩」なのだそうです。今回は、日常、ソクラテスのダイモニオン、天体、等から着想を得ています。
*ソクラテスのダイモニオン:プラトン曰く、ソクラテスの耳の後ろには一匹のダイモニオン(精霊)が住み着いており、ソクラテスの思考が誤った方向に行くとただひとこと「否」とのみつぶやく。正しいときは何も言わない、との事。内田百閒の著作より。
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