身体と衣服の関係を探求すること。宇宙から地球を捉えること。異なるスケールにあるふたつの視点が交わるところから、A-POC ABLE ISSEY MIYAKEと宇宙航空研究開発機構(JAXA)による協業は始まりました。本展は、「科学とデザイン」という異なる領域を横断しながら、「一枚の布」というイッセイ ミヤケのものづくりの思想を再考し、未来の服づくりの可能性を探る試みです。来場者とともに、環境や社会に応答する新たな衣服のあり方について考える場となることを目指します。
身体と衣服の関係を探求すること。宇宙から地球を捉えること。異なるスケールにあるふたつの視点が交わるところから、A-POC ABLE ISSEY MIYAKEと宇宙航空研究開発機構(JAXA)による協業は始まりました。本展では、気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)の観測画像を起点に展開された、一連の取り組みを紹介します。JAXAは、人工衛星の開発と利用を通して、地球環境を継続的に観測しています。「しきさい」は、近紫外から熱赤外まで、人の目では見えない領域を含む複数の波長を用いて、海洋や雪氷、植生といった観測対象の状態とその変化を捉える衛星です。そこで得られるデータは、気候変動をはじめとする課題を考える基盤であると同時に、刻々と変化する地球の美しい姿を記録しています。
本展の起点となったのは、「しきさい」が捉えた南極大陸の観測画像です。平均約2kmの厚さをもつ広大な氷床。そこに走る亀裂と、その間からのぞく濃紺の海。一見、抽象的な文様にも見える造形は、氷と海がつくり出した地球の一断面です。A-POC ABLE ISSEY MIYAKEは、この観測画像をもとに、高度なジャカード織りによるジーンズを制作し
ました。南極に現れた造形を織組織の密度による濃淡と階調で描き出し、ジーンズならではの質感と表情を生み出しています。さらに観測画像から着想し、未来の衣服を見据えて開発した生地のプロトタイプを展示します。宇宙や極地など、人がこれから活動の場を広げていく環境を想定し、限られた素材や制約のなかで、どのような機能や構造、豊かさを生み出せるのか。制約を「創造の条件」として捉え、新たな生地を探求しました。南極の観測から生まれたジーンズと、そこからさらに未来の衣服へと思考を広げたプロトタイピング。ふたつの取り組みから、地球を観測する視点が、身体と衣服の関係にどのような可能性をもたらすのか。それは同時に、イッセイ ミヤケのものづくりを貫く「一枚の布」という思想を、新たな環境や条件へとひらく試みでもあります。
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