橋本ユタカ 「Study for Null #007」

YOD TOKYO

#絵画・平面

10月10日開始
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アーティスト

橋本ユタカ
このたびYOD Gallery(東京・天王洲)では、2026年10月10日(土)より10月24日(土)まで、橋本ユタカによる個展「Study for Null #008」を開催いたします。

また、弊廊の東京・表参道のスペースYOD TOKYOでは、2026年10月9日(金)より10月21日(水)まで、橋本ユタカ個展「Study for Null #007」を開催いたします。

橋本ユタカが探ってきたのは、「人」の姿そのものではなく、私たちが何を手がかりに像を認識し、意味づけているのかという問題です。数本の線、形の配置、輪郭、姿勢や動き。それだけでも、私たちはそこに人を見ることがあります。誰であるかは分からなくても、人であることは分かる。「誰なのか分からないのに、なぜ人であることは分かるのか」。橋本は現在、この問いを探求しています。その背景にあるのは、異なる人同士が、それでも何かを共有することはできないだろうか、という問いです。すべての人に同じ快や不快を感じさせることはできない。しかし、快でも不快でもない「分からない」という感覚であれば、一瞬だけでも共有できるのではないか。橋本は、違いを消したり乗り越えたりするのではなく、違いを持ったまま共に存在する可能性を、この「分からなさ」のなかに見ています。

見覚えがあるようで特定できない人物像、複数の線や情報の重なり、そして「人」と「肉の塊」のあいだを往還する不定形な身体。橋本はこうした像を通して、一つのイメージが「何か」として立ち上がる以前の、不安定な知覚の状態を絵画のなかに生み出します。そこでは、鑑賞者は作品の意味を受け取るだけでなく、自らの記憶や経験を手がかりに像を読み取り、「何を見ているのか」を繰り返し問い直すことになります。シリーズ名「Study for Null」は、《無のための習作》を意味します。橋本にとって「無」とは、何も存在しない状態ではありません。異なるものを一つに統一することでも、差異そのものをなくすことでもなく、それぞれの違いが優劣や正誤によって選別されることなく、そのまま同時に存在できる状態を指します。そして作品は、その「無」そのものではなく、そこへ向かうための習作として置かれています。

本展では、橋本がこれまで探求してきた「人」の図像を、運動と時間という視点からあらためて捉え直します。中心となるのは、写真家エドワード・マイブリッジの連続写真を参照し、12枚の紙で一連の動きを構成したドローイング作品です。時間のなかで変化する人物の輪郭を重ねることで、一つひとつの像は部分的に失われながら、同時にそれまでとは異なる像を立ち上げていきます。

それは、橋本が以前「人は布を纏った肉の塊である」という考えから描いていた不定形な身体像への再接続でもあります。かつて橋本は、皮膚一枚隔てた内側では人を含む動物がどれも似たような肉の塊なのではないかと考え、外見や分類を取り払ったときに残る、生き物としての共通する何かを形にしようとしていました。その後距離を置いたこのイメージが、今回は輪郭と運動の重なりという別の視点から扱われます。

本展では、これらの紙作品に加え、新たな試みとなる映像作品なども展示いたします。キャンバス作品を中心とする表参道の「Study for Null #007」と、紙、線、運動、時間によって像を捉える天王洲の「Study for Null #008」。異なる素材と手法によって同じ問いに接近する二つの展覧会を、ぜひ併せてご高覧ください。

スケジュール

2026年10月10日(土)〜2026年10月24日(土)

開館情報

時間
11:30 〜 18:30
10月10日・10月11日は11:00〜20:00
10月12日は11:00〜18:00
休館日
日曜日、月曜日
10月11日・10月12日は開廊
観覧料無料
会場YOD TOKYO
http://yoded.com/
住所〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-26-35
アクセス東京メトロ千代田線・副都心線明治神宮前駅5番出口より徒歩5分、JR山手線原宿駅竹下口より徒歩6分

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