中山寛「髄と皺」

あと4日で開催

アーティスト

中山寛

中山寛は特別養子縁組で育った自身の経験を背景に、根源的な帰属意識を主題として探究している。写真というメディアがもつ「時間性」に郷里の記憶を重ね、表現の基軸としてきた。そのうえで、フィルム写真が有していた物質的な特性や偶然性を、デジタル技術の中に再表現しようと試み、現代美術としての写真表現に臨み続けている。

品川文化振興事業団主催による個展「髄と皺」は、「縦の今」としての時間軸に沈潜し、そこに浮かび上がる構造を多角的に可視化する試みである。光と影の境界から立ち上がる生命感は、血縁や社会の境界を越えて、関係の網の目の中で存在を構築する。「生まれ」と「育ち」という二つの意志の交差から、新たな帰属意識が生まれる可能性を提示している。

スケジュール

2025年12月10日(水)〜2025年12月15日(月)