公開日:2020年5月16日

今週末のおすすめ7選:トークや映像など注目オンラインコンテンツ

TAB編集部おすすめのオンラインコンテンツを厳選して紹介

続々と公開されるオンラインコンテンツの中から、TAB編集部おすすめの7つの展示、映像、テキストなどを紹介する。

今週は、DIC川村記念美術館、豊田市美術館といった美術館が公開した自宅で楽しむコンテンツやイベントの映像配信など7つを厳選。

「なにかが道をやってくる - 茨城県北サーチ」ウェブサイトより

 

展覧会関連

(1)おうちで楽しむ豊田市美術館
会期:5月1日〜6月1日

豊田市美術館がこれまで作成してきた作品紹介用の映像、研究紀要などが期間限定で順次公開中。館長の村田眞宏によるメッセージでは、同館を代表するコレクション作品の作者でありスペイン風邪によって亡くなったと言われるエゴン・シーレとグスタフ・クリムトへの言及があり、この2人の解説動画も公開されている。

鈴木俊晴、能勢陽子、千葉真智子、西崎紀衣ら学芸員による研究紀要も公開中。
https://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/covid_stayhome_202005/

(2)DIC川村記念美術館「ふたつのまどか」展
DIC川村記念美術館の開館30周年を記念し、コレクションと現代作家のコラボレーションの機会として企画された「ふたつのまどか」展(3月20日〜7月26日)。現在休館中の本展の出品作家が、会場風景とともに自身の作品を解説する動画が公式サイトで公開されている。

出品作家はさわひらき×サイ・トゥオンブリー、杉戸洋×ラリー・ベル、野口里佳×ジョアン・ミロ、福田尚代×ジョゼフ・コーネル、渡辺信子×エルズワース・ケリー。その中から解説を行なっているのは、杉戸、野口、福田、渡辺の4名。アーティストの肉声を通して作品解説を聞ける、自宅にいながらギャラリーツアーに参加気分の貴重なコンテンツでもある。展覧会の予習としてもおすすめ。
https://kawamura-museum.dic.co.jp/topics/2020/05-madoka/

 

DIC川村記念美術館「ふたつのまどか」展 ちらし

 

イベント

(1)Art Center Ongoing「コロナ時代のパフォーマンス表現」
日時:5月16日 19:00〜(1時間半程度)

吉祥寺のオルタナティブスペース「Art Center Ongoing」は、インターネット放送「オンゴーイング・スタジオ」を通じて様々なトークライブを発信していくことに決定。第1回はアーティストの村田峰紀、小山友也、うらあやか、東野哲史、ベルリンから雨宮庸介が主演し、「コロナ時代のパフォーマンス表現」について語る。司会は小川希(Art Center Ongoing)。配信はYouTubeチャンネルにて、料金は投げ銭制。
https://note.com/a_c_ongoing/n/n86be83dd27fc

(2)S/U/P/E/R DOMMUNE 特別協力
美術評論家連盟2020年度シンポジウム「文化/地殻/変動 訪れつつある世界とそのあとに来る芸術」
日時:5月16日 14:00〜17:00

美術評論家連盟による2020年度シンポジウム「文化/地殻/変動 訪れつつある世界とそのあとに来る芸術」が、新型コロナウイルス感染拡大防止のため無観客で実施されることが決定。SUPER DOMMUNEとの共同主催によるライブ配信が行われる。文化の地殻変動の時代にある今日、訪れつつある世界とそのあとにくる芸術の可能性について、オープンな対話の場が開かれる。パネリストとして出演するのはドミニク・チェン、長谷川愛、岡﨑乾二郎、木村絵理子、住友文彦。モデレーターは四方幸子が務める。
https://www.dommune.com/streamings/2020/051601/

 

美術評論家連盟2020年度シンポジウム「文化/地殻/変動 訪れつつある世界とそのあとに来る芸術」

 

映像・読みもの

(1)ワタリウム美術館 映像アーカイブ
ワタリウム美術館は、美術館がセレクトした5つの動画を30日間レンタルできる映像アーカイブ(月額2000円)を開始。8月31日までの無料視聴コンテンツとして、2006年に亡くなったナムジュン・パイクをリスペクトする友人たちによる追悼ライブ映像が公開されている。冒頭は浅田彰がパイク論を語り、パイクから伝授されたパフォーマンスを披露。続いて坂本龍一、カールステン・ニコライ、ラスター・ノートンのメンバーらのパフォーマンスが展開される。現在ワタリウム美術館にて開催中の青木陵子+伊藤存「変化する自由分子のWORKSHOP」のギャラリーツアー映像も同じく8月31日まで公開中。
http://watarium.co.jp/video/

(2)なにかが道をやってくる – 茨城県北サーチ
写真家の松本美枝子が企画する「茨城県北サーチ」とは、2018年度から茨城県北地域おこし協力隊が主催するウェブ上のアート・プロジェクト。作家や研究者がその場で体験したことをテキストにし、文化資源としてウェブ上に長く残すことを目的としている。

新緑が印象的なウェブサイトでは、大森潤也(日立市郷土博物館学芸員)、華雪(書家)、川内有緒(ノンフィクション作家)、田切美智雄(地質学者)、鈴木洋平(映画監督)のテキストを公開中。「芸術祭とは異なるアプローチを」とスタートしたこの企画だが、コロナ禍のいま、その土地を訪れずしてその土地を知る意味を強めている。
http://www.kenpokusearch.jp/

(3)BLUM & POE Broadcast「関根伸夫の追悼企画」
ロサンゼルス、ニューヨーク、東京に拠点とするギャラリー「BLUM & POE」は、展示風景とともに所属作家たちの作品を紹介するオンラインスペース「Broadcasts」をスタート。その中で、美術動向「もの派」の中心的人物のひとりであり、昨年5月に逝去した関根伸夫の追悼企画が新たに公開された。同コンテンツでは、生前行われた関根へのインタビュー映像や、キュレーターの吉竹美香によるナレーションと共に作家のこれまでの活動を紹介するショート·ドキュメンタリー、同世代のアーティストや関根に影響をけたアーティストからの追悼文などが紹介されている。
https://www.blumandpoe.com/broadcasts/tribute_to_nobuo_sekine?locale=ja

 

「関根伸夫の追悼企画」のウェブサイトより

Art Beat News

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