街にはイルミネーションが灯り、1年の締めくくりへと高揚感の高まるこの季節。東京では、無料で楽しめる魅力的な展覧会が多数開催されている。今月は写真家、ホンマタカシの個展から、原田裕規 + 横山奈美のふたり展、バングラデシュの建築に焦点を当てた展覧会まで、無料で気軽に訪れることができる展覧会を8件セレクトした。
*【入場無料】の展覧会情報は、「展覧会・イベント」ページにて随時更新中
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*各展覧会の会期・内容は予告なく変更になる場合があるため、お出かけ前には公式ウェブサイトをご確認ください。
日本を代表する写真家/アーティストであるホンマタカシが2025年に携わった仕事が一堂に会する展覧会。ひとりのアーティストの1年間の視覚的記憶を再現するとともに、活動の拠点としているひとつの街の「いま」をも浮かび上がらせる。
会場:TARO NASU
会期:11月21日〜12月20日
いま世界的に注目を集める建築家、マリーナ・タバサムが率いるマリーナ・タバサム・アーキテクツ(MTA)に焦点を当てた展覧会が開催中。バングラデシュの気候や文化、伝統に根差した建築を手がけるだけでなく、自然災害や貧困等で苦しむ人々への支援に取り組んでいるMTAのこれまでの軌跡を辿る。
会場:TOTOギャラリー・間
会期:11月21日〜2026年2月15日
ピジン英語に代表される混成文化とテクノロジーを融合させた制作をしている原田裕規。ネオンをモチーフに、ガラス管や背後に存在する配電線、フレームまで克明に描く横山奈美。「LOVE ファッション―私を着がえるとき」展をきっかけに親睦を深めたふたりが初めて共同で展覧会を行う。

会場:ケンジタキギャラリー
会期:11月21日〜12月25日
『機動戦士ガンダム』に登場するセイラ・マスをモチーフにした、6mの巨大彫刻作品《Crash セイラ・マス》(2005)などで知られる西尾康之。9年ぶりの個展となる今回は、位相幾何学の概念に由来する「コンパクト化」をテーマに、環境問題の主役でもある「ビニール」という薄い皮膜を用いた作品を展示する。
会場:ANOMALY
会期:11月22日〜12月20日
アイロニカルなインテリアデザインで商業主義を批判した倉俣史朗。代表作《クリンクル》磁器シリーズで高度経済成長期の世相を映し出した小松誠。宇宙都市を彷彿させる建築で人間と自然、社会の共生を示す髙﨑正治。本展は、3名のデザイナーの仕事を軸に、ポストモダンのデザインや建築が21世紀に如何に有効かを問いかける。
会場:武蔵野美術大学 美術館・図書館
会期:11月24日〜12月21日
小畑多丘は、ブレイクダンサーとしての経歴を持ち、ダンスにおける身体の動きを彫刻表現として昇華させている。国内では2年ぶりの個展となる本展はドローイング作品を中心に構成。作家独自の彫刻的思考が、柱やガラス面、くぼみといったギャラリー空間いっぱいに広がっている。
会場:アニエスベー ギャラリー ブティック(agnès b. galerie boutique)
会期:11月15日〜2026年1月25日
ネルソン・ホーはマレーシア出身。多摩美術大学日本画専攻を卒業し、LGBTQやメンタルヘルスといった現代社会の根源的な課題に向き合う、繊細かつ詩的な表現を生み出してきた。本展は、濃密な宗教文化の中で育ったLGBTQの人びとにとって “美” がどのように精神的な拠り所となり得るのか——その内的世界とクィア(Queer)の美学を独自の視点から掘り下げる。
会場:√K Contemporary
会期:12月6日〜12月27日
今年10月に新オープンを果たしたア・ライトハウス・カナタでは、現代日本陶芸の第一人者である三原研の個展が開催中。本展は、作家が長年にわたり追求してきた造形探求の延長線上に生まれた最新シリーズ「響」の初公開となる展覧会であり、表参道への移転後初めての個展となった。
会場:ア・ライトハウス・カナタ
会期:11月20日〜12月6日