
8月3日、国際美術評論家連盟(AICA)は、日本の国旗を損壊する行為を罰する法律「国旗損壊処罰法」に反対する声明「Statement Against the Flag Desecration Law in Japan」を発表した。
パリを拠点に1940年代から活動するAICAは、世界90ヶ国、約5500人の会員を擁する、美術評論家の非営利団体。7月17日に国会で可決・成立され、8月13日から施行される「国旗損壊処罰法」は、「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」により「公然と国旗を損壊し、除去し、又は汚損する行為」に対し、2年以下の拘禁刑またはは20万円以下の罰金を科すというもの。7月9日には、AICAの日本支部である美術評論家連盟の有志も「表現の自由を制約する国旗損壊罪の新設に反対します」との共同意見を公開していた。
AICAの会長Malgorzata Kazmierczakと検閲委員会委員長Niilofur Farrukhの署名のもと発表されたAICAの声明では、この法律が言論の自由を脅かすものであるとして広く反対されていることや、何をもって違反とするのかが不明瞭で、たんに国民の「不快感」や「嫌悪感」を根拠とする曖昧さが深刻な影響をおよぼしかねないことが日本の法律家たちによって指摘されていることなどを挙げ、こうした曖昧さが日本国憲法第21条で保障されている表現の自由を制限するために悪用される恐れがあると訴えている。
また日の丸は日本のアーティストたちによって、異議申し立てや抵抗の象徴として幅広く使用されてきたものであり、「国旗損壊処罰法」の下では、そのような過去の作品や今後制作される作品が検閲対象となったり、アーティスト自身も法的措置に直面したりするおそれがあると指摘。日本は、ユネスコの「文化的表現の多様性の保護及び促進に関する条約」の締約国であり、この条約では検閲や迫害を受けることなく自らの文化を表現し、実践し、共有する権利を保障しているとし、社会的・政治的な問題を扱う批評的な芸術はこの条約のもとで保護されている、と説明している。
そして「AICAは、日本の国会議員に対し、日本が表現の自由を保護する責務を遵守できるよう、国旗損壊処罰法を撤回することを強く求める」と表明している。