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東京・初台の東京オペラシティ アートギャラリーで、美術家のリチャード・タトルと建築家の青木淳による2人展「ほぼ、空:青木淳 + リチャード・タトル」が開催されている。会期は7月18日から9月23日まで。担当学芸員は能勢陽子(東京オペラシティ アートギャラリー シニア・キュレーター)。

青木淳は1956年横浜生まれ。磯崎新アトリエでの勤務を経て、1991年に青木淳建築計画事務所設立を設立。潟博物館、青森県立美術館、西澤徹夫との共同設計による京都市京セラ美術館まで、個人住宅から公共建築へと横断的に手がけながら、建築・美術・文学にまたがる執筆でも知られる。
リチャード・タトルは1941年、アメリカ・ニュージャージー州生まれ。トリニティ・カレッジで哲学と文学を学び、ニューヨークとニューメキシコを拠点に活動を続けてきた。ドローイングとも絵画とも彫刻ともつかない、ジャンルの境を軽やかにまたぐ表現は、半世紀にわたってアートシーンを刺激し、次世代へと影響を及ぼしてきた。作品はニューヨーク近代美術館(MoMA)、メトロポリタン美術館、テート・モダン、ポンピドゥー・センターなど、世界の主要な美術館に収蔵されている。

「そら」でもあり「くう」でもある「空」は、なにもない空虚ではない。光や影、大気に満たされ、微細な変化に富んだ場である。青木にとって建築とは「空気」であり、人それぞれの異なる価値観や速度を受けとめる、自由な空間を作ることだという。いっぽう、タトルにとって美術作品とは「光」であり、ある瞬間にとらえた真実や美しさ、充足感を、他者と分かち合うための媒体である。世界を満たす現象にも喩えられる「空気」と「光」。建築と美術のこの融合が、豊かな余白をたたえた空間を立ちあげる。
ふたりが日本とアメリカ、遠く離れながらも対話を重ねて実現した本展は、空を見上げるように、観客の視線を上へと誘う。なお、空間そのものに身を浸すため、本展は撮影禁止となっている。そこにどんな光景が広がっているのか。作家たちの言葉とともに、見ていきたい。
