2025年5月開幕のおすすめ展覧会を全国からピックアップ。気になる展覧会はウェブ版でのログインやTABアプリでブックマークがおすすめ。アプリでは、開幕と閉幕間近をプッシュ通知でお知らせします。
東京の多様な建築を楽しむ「東京建築祭」。昨年に続く本企画は、東京の都市空間に点在する建築の魅力を再発見する試みである。今年は上野・本郷、神田・九段、港区など新たなエリアも加わり、大学や文化施設の参加によって内容がさらに充実。普段は立ち入れない建物の公開、建築専門家によるツアーや講演、ライブ配信など多彩なプログラムが予定されている。ニュースはこちら。
会場:大手町・丸の内・有楽町エリアなど
会期:5月17日~5月25日
橋口五葉の仕事は美人画の版画にとどまらず、書籍装幀、ポスター、洋画、日本画にまで及び、多彩な表現世界を築き上げた。本展では、夏目漱石『吾輩ハ猫デアル』の装幀を出発点に、約50点の書籍を通じて五葉の装幀美を紹介する。装飾の枠を超えた、五葉芸術の精華に触れる絶好の機会となる。
会場:府中市美術館
会期:5月25日〜7月13日
戦後の西ドイツにおける国家と企業の再構築を支えたデザインの力に光を当てる展覧会。京都dddギャラリーで好評を博した同展を拡大し、「A5コレクション デュッセルドルフ」によるアーカイヴをもとに、戦後リブランディングのヴィジュアル戦略をひもとく。ポスターやデザイン・マニュアル、進行過程のスケッチなどを通じ、デザインと社会の関係を問い直す場となる。
会場:ギンザ・グラフィック・ギャラリー
会期:5月27日〜7月5日
女性を優麗に描いた喜多川歌麿、劇的な役者絵で人気を博した東洲斎写楽、風景・花島・人物など神羅万象を独自に表現した葛飾北斎、名所絵を中心に浮世絵に新風を吹き込んだ歌川広重、ユーモラスな画風で存在感を発揮した歌川国芳。本展では、美人画や役者絵、風景画といった各分野で人気を博した、江戸時代の5人の浮世絵師にフォーカスし、その代表作を中心に、約140点が紹介される。詳細はニュースをチェック。
会場:上野の森美術館
会期:5月27日〜7月6日
スタジオジブリ作品の魅力を立体造型で再現する展覧会が、22年ぶりに東京で開催される。『となりのトトロ』『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』『平成狸合戦ぽんぽこ』『耳をすませば』といった名作群の印象的な場面が、精緻な造型物として会場に立ち現れる。さらに、宮﨑駿監督が2002年に手がけた短編アニメーション『空想の空とぶ機械達』の特別上映も実施される。映像と造形の交差によって、ジブリ世界の奥行きを体感できる空間となる。ニュースはこちら。
会場:寺田倉庫B&C HALL/E HALL
会期:5月27日〜9月23日
パリのオランジュリー美術館が、ピエール=オーギュスト・ルノワールとポール・セザンヌというふたりの印象派・ポスト印象派の画家に、初めて同時にフォーカスし、企画・監修をした世界巡回展。三菱一号館美術館が日本唯一の会場となる。ルノワールの代表作《ピアノを弾く少女たち》やセザンヌの代表作《画家の息子の肖像》をはじめとし、ふたりの巨匠による肖像画、静物画、風景画、そして、ふたりから影響を受けたピカソを加え約50点の作品から、モダン・アートの原点を探る。詳細はニュースをチェック。
会場:三菱一号館美術館
会期:5月29日~9月7日
静謐に整えられた写経と、力強い筆致が躍る墨蹟。仏教を基盤としながらも、その造形には対照的な魅力が宿る。本展では、国宝や重要文化財を含む名品を通じて、ふたつの書のジャンルを視覚的に比較しながら味わう構成となる。写経の均整美と墨蹟の個性あふれる表現、その双方を通して「書」の奥深さに触れることができる。
会場:根津美術館
会期:5月31日〜7月6日
江戸の浮世絵史に名を残す版元・蔦屋重三郎を軸に、浮世絵の黄金期をひもとく展覧会。斬新な出版戦略によって歌麿や写楽を世に送り出した蔦屋の偉業は、錦絵が芸術として成熟した時代と深く結びついている。本展では、菱川師宣から葛飾北斎、歌川広重に至る浮世絵の系譜をたどりつつ、千葉市美術館が誇る名品を通して、“世界のUkiyo-e”へと展開するその歩みを明らかにする。
会場:千葉市美術館
会期:5月30日〜7月21日
南仏アルルで制作された《ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋》(1888)、最晩年にフランスのオーヴェール=シュル=オワーズで制作された《アザミの花》(1890)をはじめ、3点のフィンセント・ファン・ゴッホ作品を収蔵しているポーラ美術館。開館以来初のゴッホをテーマにした展覧会となる本展では、ゴッホの作品や存在が様々な時代や地域に与えたインパクトを検証するとともに、現代における新たな価値を考察する。詳細はニュースをチェック。
会場:ポーラ美術館
会期:5月31日〜11月30日
愛知県陶磁美術館に新たに加わった盛田昌夫コレクションより、リチャード・ジノリの初公開展が開催される。開窯期のドッチア窯から近年の「GINORI 1735」に至るまで、約270年にわたるジノリの造形美を紹介する。王侯貴族に愛された華麗な磁器から、ジオ・ポンティによるモダンな意匠に至るまで、時代とともに変遷するデザインの軌跡が一堂に会する。
会場:愛知県陶磁美術館
会期:5月17日〜7月27日
花鳥画の革新を追い求めた日本画家・上村淳之の業績を顕彰する回顧展。若き日、空間処理に試行錯誤した未公開作品から、晩年の成熟した筆致までを2期に分けて紹介。静謐な画面に宿る生命の気配を通して、現代に息づく花鳥画の可能性に触れる機会となる。
会場:松伯美術館
会期:5月3日〜7月13日
関西の現代美術シーンを牽引する若手作家たちの表現が集結する展覧会「Kansai Art Annual 2025」。初開催となる今年のタイトル「CO(シーオー)」はコラボレーション(Collaboration)を意味し、アーティストとギャラリーの共創にとどまらず、現代の文化を支える多様なプレイヤーの連携を象徴する。厚地朋子、岡本啓、神出謙、菊池和晃、栗棟美里、宮田彩加、ユーダイらが、知覚や社会、存在を再構築する作品を発表する。
会場:心斎橋PARCO
会期:5月23日〜6月22日
大阪の主要エリアを舞台にする「Osaka Art & Design 2025」。3回目となる本イベントは、「Overlaps 〜重なる夢中〜」をテーマに、梅田・中之島から心斎橋・なんば、阿倍野まで約60か所で展開。気鋭のクリエイターによる多彩な作品が登場する。美術館を巡るようにアートや家具、ファッションなどを鑑賞し、気に入ったものを購入できる機会も提供される。
会場:大阪市内各地
会期:5月28日~6月24日
印象派と浮世絵、その交差点を没入型体験できるイマーシブミュージアムが大阪に登場する。本展では、ゴッホやモネ、北斎や広重といった東西の巨匠たちの作品を、音響と映像による圧倒的な空間演出のなかで再構築。450㎡超の巨大空間に投影される映像により、来場者は作品世界を全身で体感することが可能となる。絵画鑑賞の概念を更新する、革新的なアート体験をお見逃しなく。
会場:堂島リバーフォーラム
会期:5月31日〜9月5日
日本を含むアジア地域の現代アートに特化した新たな美術館が、ベネッセアートサイト直島に誕生する。同館は直島における10番⽬の安藤忠雄設計のアート施設となる。記念展示の参加作家には、会田誠、マルタ・アティエンサ、蔡國強、Chim↑Pom from Smappa!Group、ヘリ・ドノ、インディゲリラ、村上隆、N・S・ハルシャ、サニタス・プラディッタスニー、ソ・ドホ、パナパン・ヨドマニーら名を重ねる。ニュースはこちら。
会場:直島新美術館
会期:5⽉31⽇〜未定
25歳で世を去った画家オーブリー・ビアズリー(1872〜98)は、ろうそくの光をたよりに、精緻な線描や大胆な白と黒の色面からなる、きわめて洗練された作品を描き続けた。本展は、19世紀末の欧米を騒然とさせたビアズリーの歩みをたどる、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)との共同企画。初期から晩年までの挿絵や希少な直筆の素描に加え、彩色されたポスターや同時代の装飾など、約200点を通じてビアズリーの芸術を見る。2月15日から5月11日まで、東京の三菱一号館美術館で開催中の本展のレポートはこちら。
会場:久留米市美術館
会期:5月24日~8月31日