公開日:2024年4月11日

画家に愛されてきた犬と猫の名作たち「犬派?猫派?―俵屋宗達、竹内栖鳳、藤田嗣治から山口晃まで―」山種美術館で5月から開催

会期は5月12日~7月7日。特別企画として、ゆるかわ犬・長沢芦雪《菊花子犬図》と、山種美術館のトップスター・竹内栖鳳《班猫》を撮影できる。

長沢芦雪 菊花子犬図 18世紀(江戸時代) 絹本・彩色 個人蔵

山種美術館で、特別展「犬派?猫派? ―俵屋宗達、竹内栖鳳、藤田嗣治から山口晃まで―」が、5月12日~7月7日まで開催される。

ペットとしてもっとも人に親しまれてきた犬と猫。古くから日本の絵画に描かれ、近代以降も画家たちが愛犬や愛猫をモティーフに多くの作品を描いてきた。本展では、江戸時代の俵屋宗達伊藤若冲長沢芦雪歌川国芳をはじめ、竹内栖鳳西村五雲西山翠嶂など、動物画を得意とする近代京都画壇の画家たち、小林古径川端龍子奥村土牛速水御舟ら東京画壇を代表する画家たち、さらに藤田嗣治や現在活躍中の山口晃まで、犬と猫を題材としたバラエティに富む名品を紹介する。

洋犬・遊女図屛風 17世紀(江戸時代) 紙本・彩色 個人蔵
伊藤若冲 狗子図 18世紀(江戸時代) 紙本・墨画 個人蔵
川端龍子 立秋 1932(昭和7) 絹本・彩色 大田区立龍子記念館

本展にて初公開となる《洋犬・遊女図屛風》(個人蔵)は、当時日本では珍しかった洋犬を描く貴重な作品。琳派の祖・俵屋宗達《犬図》(個人蔵)には、振り返る子犬が水墨で愛らしく表されている。伊藤若冲《狗子図》(個人蔵)では白と黒の 2 匹の子犬の対比が目を引き、長沢芦雪《菊花子犬図》(個人蔵)には、可愛い子犬たちが表情豊かに描かれる。また、愛犬家で知られる川端龍子は、愛犬ムクとモルをモデルに《立秋》《秋縁》(大田区立龍子記念館)を制作した。

竹内栖鳳 班猫(重要文化財) 1924(大正13) 絹本・彩色 山種美術館
歌川国芳 猫の当字 たこ 1842(天保13)頃 大判錦絵 個人蔵 (後期展示 6/11-7/7)

猫を描いた名作は、近代京都画壇を牽引した竹内栖鳳《班猫》(重要文化財、山種美術館)。静岡の沼津で偶然出会った猫に惹かれた栖鳳は、丹念な観察と写生を通して作品を完成させた。また、サインの代わりに猫を描くこともある藤田嗣治《Y 夫人の肖像》(株式会社三井住友銀行)は、女性と4匹の猫を描いた魅力的な作品。現代作家・山口晃による《捕鶴圖》(山種美術館)は、擬人化された猫たちの個性までも描き出す。

また、犬と猫だけでなく身近な動物を描いた優品も紹介。本展初公開の菱田春草《柏ニ小鳥》(個人蔵)をはじめ、横山大観 《木兎》(山種美術館)や上村松篁《白孔雀》(山種美術館)など、花鳥画の名品も見逃せない。また、本展だけの特別企画として、大好評のゆるかわ犬・長沢芦雪《菊花子犬図》(個人蔵)と、山種美術館のトップスター・竹内栖鳳《班猫》(重要文化財、山種美術館)を撮影できる。かわいい動物に会いに行く、新しい美術館の楽しみかたを提示してくれる展示になりそうだ。

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