長野県松本市にある明治23年(1890)の料亭「割烹 松本館」。2006年に国の有形登録文化財に登録された99畳の広さを誇る大広間が、「館カフェ」として平日を中心にカフェとして開放されている。
割烹 松本館の大広間と言えば、2022、23年に行われた「マツモト建築芸術祭」の会場のひとつとして使われ、22年の小畑多丘作品と空間の鮮やかなコラボレーションも記憶に新しい。
同所を設計・監修したのは、松本生まれの彫刻家・太田南海(1888〜1959)。米原雲海、高村光雲に師事し、岡倉天心にも手ほどきを受けたという太田の彫刻を大広間の各所で見ることができるため、訪れた際にはディテールに注目してほしい。
カフェのメニューはコーヒーや抹茶、季節のわらび餅、上生菓子、ガトーショコラなどのほか、松本クラフトビールといったアルコールも提供される。
割烹 松本館の近隣には、松本市出身のアーティスト・草間彌生の作品を多数所蔵する松本市美術館があり、少し足を伸ばせば長野市美術館や無言館もある。文化財とカフェを合わせて楽しめる休憩スポットとして利用してはいかがだろうか。