
レオナルド・ダ・ヴィンチ 女性の肖像(誤って付された別称《美しきフェロニエール》) 1490–97 ルーヴル美術館所蔵 *すべての画像は「ルーヴル美術館展 ルネサンス」(国立新美術館、2026)展示風景
六本木の国立新美術館で、「ルーヴル美術館展 ルネサンス」が開催されている。会期は12月13日まで。
見どころはなんと言っても、盛期ルネサンスを代表する画家レオナルド・ダ・ヴィンチの傑作《女性の肖像》(通称:美しきフェロニエール)の初来日。だが本展はそれだけにとどまらず、15〜16世紀にヨーロッパ各地で隆盛したルネサンス美術を、絵画から彫刻、版画、素描、工芸まで、ルーヴル美術館のコレクションから選び抜かれた50点余りで紹介する。担当学芸員は宮島綾子(国立新美術館主任研究員)。

同館でのルーヴル美術館展は今回で4回目で、「ルーヴル美術館展 愛を描く」(2023、国立新美術館ほか)以来、3年ぶりとなる。レオナルド・ダ・ヴィンチの傑作も、1974年の《モナ・リザ》来日以来52年ぶりとなり、またとない貴重な機会だ。菅谷富夫館長は「レオナルド・ダ・ヴィンチの1点で満足されがちだが、ルーヴル美術館から作品を借りられる機会だからこそ、もう一歩踏み込んでルネサンスというものを見ていただきたい」と語る。ここで見据えているのは、レオナルドの名作そのものだけでなく、それを生んだ時代を一変させたルネサンスそのものを、優れた作品を通じて理解してもらうことだ。

いっぽう、宮島は本展の狙いは、西洋の美術館の常設展示だけでは見えてこない側面に光を当てることにあると説明する。ルーヴル美術館をはじめ、多くの美術館では常設展示は国・地域・ジャンルごとに作品を分け、年代順にたどるのが一般的だが、その方法では絵画・彫刻・工芸・素描・版画がジャンルや国境を越えて影響し合った「横のつながり」が見えにくい。そこで本展はその枠組みに囚われず、フランスやドイツなど対象地域も広げて構成した。その中身を、章ごとにたどってみたい。
