
会場入口
アンパンマンの作者として広く知られるやなせたかし(1919〜2013)。その姿を、マンガ家、詩人、絵本作家、イラストレーター、デザイナー、編集者として多面的に紹介する大規模巡回展「やなせたかし展 人生はよろこばせごっこ」が世田谷文学館で開幕した。会期は2026年6月30日〜9月6日。

本展は、プロローグに続き、「やなせたかし大解剖」「漫画」「詩」「絵本とやなせメルヘン」「アンパンマンの誕生」、そしてエピローグ「人生はよろこばせごっこ」へと進み、「アンパンマンの生みの親」という一言に閉じ込めない構成になっている。
本展を担当した宮崎京子学芸員は、やなせについて「本当に多彩な仕事をなさっていた方」だと言い、調査を進めるほど、その仕事の幅に驚かされたという。やなせはマンガ、詩、絵本、デザイン、編集などを横断しただけでなく、気になったテーマを何度も描き直し、かたちを変えながら育てていく作家でもあった。

たとえば、私たちがよく知るアンパンマンは、1988年にテレビアニメ放送が始まった後の姿かもしれない。しかし宮崎学芸員によれば、アンパンマンというヒーロー像は1960年代からすでに描かれ、当初は現在のような見た目ではなく、「おじさん」の姿だった。そこから絵本、短編、テレビアニメへと展開しながら、少しずつ現在の姿に近づいていったのだそうだ。
