公開日:2026年4月22日

彫刻家・戸谷成雄さんが78歳で死去。「彫刻」の再構築を試みる独自の実践を展開

6月に偲ぶ会の開催を予定

戸谷成雄 Photo: Wang Lu

彫刻家・戸谷成雄さんが4月15日、都内の病院にて肺炎のため78歳で死去した。

戸谷さんは1947年長野県生まれ。愛知県立芸術大学で彫刻を専攻したのち、1970年代より本格的な活動を開始。ポスト・ミニマリズムやもの派といった同時代の美術潮流のなかで批判や解体にさらされる「彫刻」の再構築を試み、一貫して人間の存在認識に通じる彫刻の原理とその構造を追求しながら、作品制作を通してその本質と可能性を探究し続けた。1984年から発表された、木の表面をチェーンソーで彫り刻む「森」シリーズにより国内外で高い評価を獲得し、ヴェネチア・ビエンナーレ日本館(1988)をはじめ、アジアパシフィック・トリエンナーレ(1993)、光州ビエンナーレ(2000)などに出品。2022年から23年にかけて長野県立美術館埼玉県立近代美術館で行われた大規模個展も記憶に新しい。また教育者として、武蔵野美術大学彫刻学科で長年にわたり後進の指導にあたった(同大学名誉教授)。2004年に芸術推奨文化科学大臣賞、2009年に紫綬褒章、2025年に旭日小綬章を受章している。

戸谷成雄 Photo: Wang Lu

近年の主な展覧会に「戸谷成雄 彫刻」(長野県立美術館、埼玉県立近代美術館、2022〜23)、「視線体:散から連 連から積」(シュウゴアーツ、2022)、「⼾⾕成雄 森―湖:再⽣と記憶」(市原湖畔美術館、2021)、「視線体」(シュウゴアーツ、2019)、「戸谷成雄─現れる彫刻」(武蔵野美術大学 美術館・図書館、2017)、「洞穴の記憶」(ヴァンジ彫刻庭園美術館、2011〜12)、「戸谷成雄 森の襞の行方」(愛知県立美術館、2003)など。

葬儀は遺族の意向により、近親者のみで執り行われた。所属ギャラリーのシュウゴアーツによると、6月に偲ぶ会の開催を予定している。

Art Beat News

Art Beat News

Art Beat Newsでは、アート・デザインにまつわる国内外の重要なニュースをお伝えしていきます。

Tokyo Art Beat Mail Magazine

アートの最新情報を、毎週お届けします。
登録は無料です。