
会場風景
ホースをくぐる水が、容器から容器へと移る。水滴が金属やプラスチックを打ち、小さな音を立てる。テーブルの上では、電極を刺された果実の状態に呼応して電球が明滅し、スピーカーから不規則な音が響く。
これらの動きは、あらかじめ決められた筋書きどおりには進まない。水が漏れ、果実は時間とともに朽ち、外から差し込む光も刻々と変化する。作品は完成した物体として静止するのではなく、周囲の環境と交渉を続けながら、そのつど異なる状態を見せる。

横浜美術館で7月24日に開幕した「毛利悠子 Recompose―第60回ヴェネチア・ビエンナーレ日本館帰国展」は、毛利が2024年のヴェネチア・ビエンナーレ日本館で行った個展「Compose」(キュレーション:イ・スッキョン)を、日本で初めて紹介する展覧会だ。会期は11月23日まで。入場無料。担当学芸員は松永真太郎(横浜美術館 学芸グループ長、主席学芸員)。
本展を、毛利の言葉とともに紹介する。
