画家・中山晃子(なかやまあきこ)の公立美術館における初個展を開催します。鮮やかな色彩が渦を巻き、ぶつかり、混ざりあう。やがてそれもまた別の色彩に呑み込まれていく──。中山は液状の絵具を流動させ、その変化の軌跡を見せる独自の絵画表現「Alive Painting(アライブ・ペインティング)」で知られています。Alive Paintingは、画家が自らの手元、わずか数センチ角の範囲で液状の絵具を操作し、そのなかで生起する現象をカメラで捉えることで生み出されます。そこでは実際のスケールからは想像もつかない、儚くも鮮烈な色彩世界が躍動します。中山は絵具だけでなく、溶けていく氷や磁石に吸い寄せられる磁性流体など、固有の特性をもつマテリアルの物理的な反応を利用して、刻々と姿を変える動的な抽象イメージを描き出すのです。
こうした制作手法を支えているのは、色彩理論への理解や身近な自然現象をつぶさに観察する眼差し、なにより長年の経験則に裏打ちされた技術です。中山は、長い歴史のなかで培われてきたさまざまな絵画技法をも参照しながら、映像と絵画、テクノロジーと手仕事とが交差する領域で、現代における絵画の新たなあり方を追求します。物質が変化していく時間すらメディウムとして扱い、色彩のダイナミズムを提示する中山の実践は、あくまで絵画の語法に則りながら、消えゆく一瞬を「いま・ここ」に定着させる試みだといえるでしょう。本展では、代表的なシリーズであるAlive Paintingの近作や過去のドキュメント映像に加え、中山にとって初の試みとなるカンヴァスを用いた新作インスタレーションを公開します。生じたそばから移ろう「泡沫(うたかた)の形」をいかにして捉え、留めるのか。画家・中山晃子の現在地をご紹介します。
ARTIST FOCUSとは
ジャンルや年齢を問わず、当館学芸員が推薦する高知ゆかりの作家を紹介する展覧会シリーズ
[関連イベント]
1. アーティストトーク
日時: 2026年11月7日13:30〜
登壇者: 中山晃子
会場: 高知県立美術館 1階 展示室D
料金: 無料(事前申込み不要、要当日観覧券)
2. ギャラリートーク
日時: 2026年12月19日13:30〜
登壇者: 塚本麻莉(本展担当学芸員)
会場: 高知県立美術館 1階 展示室D
料金: 無料(事前申込み不要、要当日観覧券)
3. クロストーク
日時: 2027年1月10日13:30〜
登壇者: 中山晃子、塚本麻莉
会場: 高知県立美術館 1階 講義室
料金: 無料(定員50名)
4. ワークショップ「哲学対話作品をほぐして新たな問いを見つけよう」
日時: 2026年11月21日15:00〜
ファシリテーター: 馬場智一(哲学者、法政大学社会学部教授)、中山晃子
会場: 高知県立美術館 1階 展示室D、創作室
料金: 無料(要予約、要当日観覧券、小学3年以上対象、定員10名)
5. ワークショップ「土佐和紙を使って『墨流し』をしよう」
日時: 2027年1月9日13:30〜
講師: 中山晃子、田村寛(土佐手漉和紙職人)
会場: 高知県立美術館 1階 創作室
料金: 無料(要予約、小学3年以上対象、定員10名)
※イベント詳細・お申し込み方法は公式ホームページよりご確認ください。
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