ギャラリー上田では、2026年10月19日(月)より、張媛媛による個展「夢山水」を開催いたします。
張媛媛は1984年中国湖北省生まれ。中国大連大学美術科を卒業後、日本で古典絵画技法の研究を深めました。横浜国立大学大学院 赤木古典絵画技法研究室、東京藝術大学大学院 油画技法材料研究室で学び、現在はエンカウスティークを軸に、岩絵具、金箔、亜麻布を用いた作品を制作しています。張がエンカウスティークを選んだ背景には、赤木範陸の作品との出会いがあります。油彩でありながら水墨画のようでもある質感に衝撃を受け、中国・宋代の水墨山水画が持つ大気、水蒸気、霧といった「色を持たないもの」の濡れたような質感を、無色の蜜蝋を亜麻布に染み込ませる技法で表現できると考えました。本展「夢山水」では、山水、鯉、猫、花、吉祥の象徴をめぐる作品を紹介します。千を超える湖がある故郷・湖北省の風景とも重なる宋代水墨山水画の大気や水、霧の表現を背景に、金箔の光と、動植物の気配が重なり合う幻想的な絵画世界が広がります。日本で多くの人に支えられてきた経験から、張は「縁起もの」を重要なモチーフとして描いてきました。鯉、猫、花、富士山などの象徴には、見る人への祝福や幸福を願う思いが込められています。画面には、東洋の古典的な美意識と、現代の絵画表現が静かに共存しています。
張は、上野の森美術館大賞展 絵画大賞、東京藝術大学修了展覧会 メトロ文化財団賞、公募 日本の絵画 優秀賞を受賞。近年は画廊、百貨店美術画廊、国内外のアートフェアで発表を重ねています。また本展は、月刊美術2026年10月号「画廊街の最新情報 秋の話題展×90 秋展NAVI 2026」にも掲載されています。誌面では「古典技法が拓く、幻想の絵画世界」として紹介されました。写真では伝わりきらない蜜蝋の層、亜麻布の質感、岩絵具の柔らかな発色、金箔が光を受けて変化する表情を、ぜひ会場でご覧ください。
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