
日に日に暑さが増し、本格的な夏を目前にしたこの季節。東京では、無料で楽しめる魅力的な展覧会が多数開催されている。今月は三島由紀夫、日本のグラフィックデザイン2026、田島大介など、無料で気軽に訪れることができる展覧会を8件セレクトした。
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三島由紀夫とピエル・パオロ・パゾリーニという、20世紀を代表するもっとも複雑でとらえがたいふたりを対話的に提示する展覧会。一見接点がないように見える両者だが、時代への鋭い批評精神、失われゆく伝統や過去への深い意識、そして文学・映画・演劇など多様な領域を横断した創作活動において、多くの共通点をもつ。本展では、両者の知的・芸術的活動を並行する軌跡として提示し、写真や作品などの資料を通して、その交差する接点を浮かび上がらせる。
会場:イタリア文化会館 東京
会期:6月26日〜7月29日
本展は、2025年度に東京や世界各国の提携機関のレジデンスに滞在した国内外のアーティストたちによる成果発表のグループ展。第1期は「テクノロジーと人間のかたち」をテーマに、TOKASレジデンシーで滞在制作を行った4名を含む7名、第2期は6組の作家が出品する。社会的な前提から離れ、弱さを認めながら世界との距離を詰め、その関係を結び直す——作家たちのそうした探求が、作品を通して立ち現れる。
会場:トーキョーアーツアンドスペース本郷
会期:第1期 6月27日〜8月2日、第2期 8月15日〜9月20日
東京駅の真横、オフィスビルの1階に「アートセンター」として位置するBUG。本プログラムは、人が行き交う東京駅でアーティストの映像作品を上映し、社会で起きていることに目を向け、想像し、抵抗するための力を得る試みだ。作家たちの既存の映像作品を上映し、対価を支払うことで彼らの活動を支える。参加アーティストは17組(荒木悠、Cici Wu with Yuan Yuan、池添俊、石原海、小林颯、小原真史、キュンチョメ、マヤ・エリン・マスダ、百瀬文、永田康祐、Nina Fischer & Maroan el Sani、西野正将、オル太、志賀耕太、白川真吏、ソー・ソウエン、渡邊拓也)。忙しい毎日のなか、少し立ち止まって自分と社会の関係を見つめ直す時間となるだろう。
会場:BUG
会期:7月3日〜7月12日
田島大介は、緻密なディテールと誇張された遠近法を用い、架空の巨大都市を描き出すアーティスト。本展では、加速する現代社会の混沌と、その「はざま」を生きる個をテーマに、田島の新旧作を展開する。会場を包み込むエネルギーと、その根底に潜む虚無感が立ち上がる。
会場:Gallery & Bakery Tokyo 8分
会期:6月20日〜7月21日
横手太紀は、日常のなかで見過ごされた時間に目を向け、躍動感のある彫刻やインスタレーション、映像、写真などを通して、その背後にある物語に光を当てる。本展はCON_とparcelによる共同展で、同じかたちをもつ2会場に横手の新作を展示し、「lovely」と「lonely」という両義的で対照的なテーマを展開する。
会場:CON_
会期:6月27日〜7月26日
日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)は、アジア最大級のデザイン団体。1981年より、会員の1年間の優れた仕事や作品をまとめた年鑑『Graphic Design in Japan』を発行し、日本のグラフィックデザインの成果を国内外に紹介している。本展では、年鑑2026年版から約300点を実物とモニターで展示する。日本のグラフィックデザインの現在を一望できる機会となるだろう。
会場:東京ミッドタウン・デザインハブ
会期:6月26日〜8月6日
佐藤雅晴は、現代美術・映画・アニメーション・メディアアートの境界を横断し、「見ること」そのものを探求してきた。本展では、カテゴリーを横断しながら「見えているものは本当にそこに存在しているのか?」を主眼に作品を展開する。鑑賞者は、記憶と実在のあいだを行き来し、その曖昧さを体感する。
会場:art cruise gallery by Baycrew's
会期:7月1日〜8月23日
CFCLは、初となるブランドブック『CFCL: Clothing for Contemporary Life』を出版する。数々のクリエイターとの協働によって築き上げたヴィジュアル表現をまとめた一冊で、本展はその出版に先駆けて開かれる展示会だ。シーズンヴィジュアルをはじめ、写真家・高木由利子とのプロジェクト「Motion in Emotion」、ランウェイショーやヴィジュアル制作のメイキング映像などを通して、CFCLが追求する美学と創造のプロセスをひもとく。
会場:GYRE GALLERY
会期:7月18日〜7月30日
本展は、写真文化のさらなる発展への貢献を目的にソニーが支援する、世界最大規模の写真コンテスト「Sony World Photography Awards」の受賞作品展。第19回の受賞作品に加え、特別功労賞を受賞したジョエル・マイロウィッツの作品も展示する。世界各地で活躍する写真家たちの表現にふれられる機会となる。
また、同館では「出光真子 おんなのさくひん ――ある映像作家の自伝」が開催中。レポートはこちら。
会場:東京都写真美術館
会期:6月20日〜7月20日
本展では、東京都庭園美術館の植物に着目した、アーティストのナイル・ケティングと音楽家の尾島由郎によるサウンド・インスタレーションを展示する。それぞれ異なる時刻に開花・閉花する植物を円環上に配置し、時間を読み取ろうとした理論的構想「花時計」。本作は「花時計」から着想をえたインスタレーションで、花から始まるランドスケープとのつながりを感じさせる作品だ。
会場:東京都庭園美術館
会期:6月9日〜7月12日