
吉村宗浩 撮影:灰咲光那
森に立つ家、戸外に集う人々、老若の男性像。描かれているモチーフは普通なのに、どこか違和感がある。可愛いのに不穏、リアルだけど非現実的、哀感がありユーモラス。相反する要素をはらむ画面は、視線を引き込む強度がある。
作者の吉村宗浩は神戸市在住の65歳。武蔵野美術大学造形学部油絵学科を卒業後、長い雌伏のときを過ごし、画家として芽が出たのは50歳頃から。神戸元町 歩歩琳堂画廊などで個展を行い、独自の魅力を放つ古典的な絵画は着実にファンを増やしてきた。2022年には兵庫県立美術館で個展「注目作家紹介プログラム チャンネル13『吉村宗浩 画家とアトリエ─メチエの修行場』」が開催され、画業への注目が高まっている。

その吉村の個展「町はずれの幻術」が、東京・六本木のKAYOKOYUKIで8月29日まで開催されている。同ギャラリーでの個展は初めてで、会場には主なモチーフである郊外の風景や人物を描いた新作を中心に油彩画13点が並ぶ。これまでの歩みや目指す表現を吉村に聞いた。