Tokyo Art Beatでは有料会員向けの美術館割引サービス「ミューぽん」を、常時複数館を対象に提供している。ここでは、12月に開催されている「ミューぽん」対象の展覧会とその見どころを紹介! まだサービスを使ったことのないユーザーの皆様も、ぜひラインアップをチェックしてみて欲しい。
森美術館が3年に一度、日本の現代アートシーンを総覧する定点観測的な展覧会として企画してきたシリーズ展。今回は、同館のキュレーターに加えて国際的に活動するアジアのゲストキュレーター2名を迎え、「時間」をテーマとする。
出品作家はA.A.Murakami、ケリー・アカシ、アメフラシ、荒木悠、ガーダー・アイダ・アイナーソン、ひがれお、廣直高、細井美裕、木原共、金仁淑、北澤潤、桑田卓郎、宮田明日鹿、Multiple Spirits、沖潤子、庄司朝美、シュシ・スライマン、和田礼治郎、マヤ・ワタナベ、キャリー・ヤマオカ、ズガ・コーサクとクリ・エイトの全21組。
会場:森美術館
会期:12月3日〜2026年3月29日
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20世紀後半を代表する米国出身のアーティスト、ソル・ルウィット(1928〜2007)。日本の公立美術館における初の個展となる本展では、ウォール・ドローイング、立体・平面作品、アーティスト・ブックなど、その広範な仕事を検証し、思考の軌跡をたどる。
ルウィットは1960年代後半、目に見える作品そのものよりも、作品を支えるアイデアやそれが生み出されるプロセスを重視する試みによって、芸術の在り方を大きく転換させた。ルウィットの指示をもとに、ほかの人の手で壁に描かれるウォール・ドローイング、構造の連続的な変化を明らかにする立体作品など、その仕事は「芸術とは何でありうるか」という問いを投げかけてくる。
会場:東京都現代美術館
会期:12月25日〜2026年4月2日
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メディア・テクノロジーを駆使し、鑑賞者が自分自身の知覚とインタラクションのメカニズムに向き合わされる体験を複数の作品によって提示した三上晴子(1961〜2015)。
三上は生前、1980〜90年代までの作品の多くを廃棄。しかし近年、1990年代前半の4作品が東京都現代美術館に収蔵されるなど、現代アートの分野においても再評価の機運が高まっている。規模が大きく作品設置に複雑な工程を要することから、インタラクティヴ作品の再展示の機会は限られているが、本展では、三上が1990年代後半以降に発表したインタラクティヴ・インスタレーションが複数展示される。
作品展示のほか、作品がアップデートを重ねてきた変遷や、現在進行中の修復やアーカイヴの取り組み、また作品のアーカイヴ・データの活用事例なども併せて紹介。
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
会期:12月13日〜2026年3月8日
ミューぽんで100円OFF!
日本近代洋画の改革期に活躍し、写真家、洋画家、文学者、演劇関係者、美術評論家ら大勢から愛された画家、小林徳三郎(1884〜1949)の初の大規模個展。
鰯や鯵といった魚を主題とした作品を数多く描き、40代半ば頃からは自分の子供たちをモデルに何げない日常を表現した作品が増え、時にはマティスを連想させる明るい色や筆遣いの静物なども描いた。晩年は、江の浦(沼津市)をはじめ自然風景に興味を持ち、海景や渓流など同じ主題に取り組み、死の直前まで精力的に筆を握った。小林の死後、美術界での扱いの低さに対して、画家の硲伊之助は「もっと評価されるべき画家」と憤慨したと逸話が残る。そんな小林の画業の展開を、約300点の作品と資料で追う。
会場:東京ステーションギャラリー
会期:11月22日〜2026年1月18日
ミューぽんで100円OFF!
上野アーティストプロジェクト第9弾として開催する本展では、布地などに針で糸を刺し、縫い重ねる手法によってかたちづくられた多彩な造形と表現に注目する。
近世以来の刺繍職人の家に生まれ、伝統的技法に基づきながら革新的な表現を追い求めた平野利太郎(1904〜94)。西洋刺繍の知識を土台に、毛糸を用いた躍動感ある絵画的な刺繍作品を発表し、日本手芸普及協会の会長も務めた尾上雅野(1921〜2002)。いつかどこかで目にし、記憶した風景や事物を、自由なステッチで画面上に作り上げていく岡田美佳(1969〜)。作ることを目指すのではなく、自分の奥底に流れる時間や感覚を確かめるかのように、日々、糸を刺し続ける伏木庸平(1985〜)。ベンガル地方の女性たちのあいだで古布再生や祈りの思いから生まれ継承されてきたカンタと呼ばれる針仕事に共鳴した望月真理(1926〜2023)の5名を紹介。