公開日:2024年3月14日

週末見たい展覧会5選。西美の現代美術展、都写美のリメンブランス、「遠距離現在」など【2024年3月第3週】

毎週更新。TABが取材した展覧会や、編集部が注目する展覧会をピックアップ。今週は西美の現代美術展、都写美のリメンブランス、「遠距離現在」、アピチャッポン、野村在の個展の5つ

左上から時計回りに、「遠距離現在 Universal / Remote」(国立新美術館)、「第17回 shiseido art egg 野村在 展」(資生堂ギャラリー)、「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?——国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ」(国立西洋美術館)、「記憶:リメンブランス-現代写真・映像の表現から」(東京都写真美術館 撮影:中島良平)

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*3月スタートの展覧会はこちらをチェック

ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?——国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ (国立西洋美術館、東京)

これまで20世紀前半までの西洋美術のみを蒐集してきた国立西洋美術館は、初となる現代美術の展覧会を企画。所蔵作品を通じて、未来のアーティストへ刺激を与える場となるという開館当初の想いに立ち帰り、「未来の世界が眠る部屋」となってきた/なりうるのかを検証する。出展作家は、飯山由貴、遠藤麻衣、小田原のどか、鷹野隆大、田中功起、エレナ・トゥタッチコワ、内藤礼、長島有里枝、パープルーム、布施琳太郎、ミヤギフトシ、弓指寛治ら20組以上。フォトレポートはこちら参加アーティストを含む有志がパレスチナ侵攻への抗議活動を行ったことを受けた、国際政治学者の五野井郁夫による緊急寄稿も合わせて読んでおきたい。

会場:国立西洋美術館
会期:3月12日〜5月12日

記憶:リメンブランス-現代写真・映像の表現から(東京都写真美術館)

写真や映像は、人々のどのような記憶をとらえようとしてきたのか。本展では『決闘写真論』(1976)における篠山紀信の示唆を起点に、高齢化社会や人工知能を題材とする作品なども紹介される。出展作家は篠山紀信、米田知子、グエン・チン・ティ、小田原のどか、村山悟郎+池上高志、マルヤ・ピリラ、 Satoko Sai + Tomoko Kurahara。詳細はフォトレポートをチェック

会場:東京都写真美術館
会期:3月1日〜6月9日

遠距離現在 Universal / Remote(国立新美術館、東京)

本展は「Pan- の規模で拡大し続ける社会」、「リモート化する個人」というふたつのテーマを軸に、グローバル資本主義やデジタル化社会という主題を再解釈するもの。出展作家は井田大介、徐冰(シュ・ビン)、トレヴァー・パグレン、ジョルジ・ガゴ・ガゴシツェ+ヒト・シュタイエル+ミロス・トラキロヴィチ、地主麻衣子、ティナ・エングホフ、チャ・ジェミン、エヴァン・ロス、木浦奈津子。映像作品や写真、インスタレーション、油彩画などが公開される。展示風景も交えたニュースはこちら

会場:国立新美術館
会期:3月6日〜6月3日

アピチャッポン・ウィーラセタクン 「Solarium」(SCAI THE BATHHOUSE、東京)

タイ出身の現代美術家、アピチャッポン・ウィーラセタクンの個展は、今週末からSCAI THE BATHHOUSEでスタート。注目は、作家が幼少期に夢中になったホラー映画から着想を得たという新作《ソラリウム》(2023)。さらに、作家のドローイングも初めて公開。二部作のドローイングと写真を組み合わせた立体作品として展示される。

会場:SCAI THE BATHHOUSE
会期:3月16日〜5月25日

第17回 shiseido art egg 野村在 展(資生堂ギャラリー、東京)

写真や彫刻など多様なメディアを用いて、生と死やその間に横たわるものを露わにすることを試みて野村在。本展では、亡くなった人の写真を水に印刷する写真装置など、今後数十年において稼働し続ける予定のパフォーマティブな作品を発表する。

会場:資生堂ギャラリー
会期:3月12日〜4月14日

浅見悠吾

浅見悠吾

1999年、千葉県生まれ。2021〜23年、Tokyo Art Beat エディトリアルインターン。東京工業大学大学院社会・人間科学コース在籍(伊藤亜紗研究室)。フランス・パリ在住。