公開日:2022年1月1日

1位は531点! TABアプリユーザーが選ぶ、2021年展覧会トップ10

Tokyo Art Beatのアプリで1年間に紹介した約6000件の展覧会・イベント情報の中からもっとも注目を集めた展覧会トップ10を紹介。

「アナザーエナジー展: 挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人」会場風景

昨年に引き続き、コロナ禍で展覧会の予定変更が相次いだ2021年でしたが、そんな状況下でも充実の展覧会が多数開催されました。今年Tokyo Art Beatで公開した展覧会・イベント数は5911件。「ブックマーク」と「行った」のクリップ機能があるTokyo Art Beatのアプリでクリップの総数=点数として集計し、TABアプリユーザの関心度がもっとも高かった展覧会トップ10を紹介します。

ランキングとともに今年1年を振り返ってみませんか?

1位:531点「アナザーエナジー展: 挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人」(森美術館)

堂々の1位は森美術館で2022年1月16日まで開催中の「アナザーエナジー展: 挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人」。ミリアム・カーン、三島喜美代、アルピタ・シン、ロビン・ホワイトら世界各地で挑戦を続ける70代以上の女性アーティスト16名に注目した本展では、絵画、映像、彫刻、大規模インスタレーションにパフォーマンスなどの多彩で力強い作品約130点を通して、長いキャリアのなか、ひたむきに挑戦し続けてきた彼女たちの特別な力、「アナザーエナジー」とは何かを考える。「ブックマーク」は335、「行った」は196。

「アナザーエナジー展:挑戦し続ける力—世界の女性アーティスト16人」展 会場風景

2位:408点「ライゾマティクス_マルティプレックス」展(東京都現代美術館)

2位は、2021年に設立15周年を迎えたrhizomatiks(ライゾマティクス)の個展「ライゾマティクス_マルティプレックス」。世界的に活躍するアーティストであるビョーク、スクエアプッシャー、Perfume、狂言師・野村萬斎や研究者らとのコラボレーションに加え、多様な視覚化や問題提起型のプロジェクトを通して、技術と表現の新しい可能性を追求してきたライゾマ。過去作ではなく新作が多く並び、各作品で何かしらのアップデートが行われるなど、「最新形」にこだわるライゾマらしい展覧会だった。「ブックマーク」は201、「行った」は207。レポートはこちらから。

「ライゾマティクス_マルティプレックス」会場風景

3位:402点「マーク・マンダース —マーク・マンダースの不在」(東京都現代美術館)

3位も、ライゾマ展と同じく東京都現代美術館で行われた「マーク・マンダース —マーク・マンダースの不在」。1986年より「建物としての自画像」をコンセプトに作品を制作し、現在はベルギーのロンセを拠点とするマンダースには日本国内でもファンが多く、以前同館のコレクション展で作品が展示された際にも大きな反響があったという。本展は、マンダースの近年の重要な個展では必ず出品されてきた代表作が含まれるファン必見の展覧会だった。「ブックマーク」は184、「行った」は218。レポートはこちらから。

「マーク・マンダース —マーク・マンダースの不在」会場風景

4位:361点「イサム・ノグチ 発見の道」(東京都美術館)

展覧会オープン翌日からコロナ禍の影響での臨時休館という事態に見舞われた東京都美術館「イサム・ノグチ 発見の道」が、堂々の4位にランクイン。日本人を父に、米国人を母に生まれたイサム・ノグチ(1904-1988)は、東西の間でアイデンティティーの葛藤に苦しみながら、独自の彫刻哲学を打ち立てた20世紀を代表するアーティスト。本展では、類例なきつくり手による「発見の道」を辿りながら、ノグチの日本文化への深い洞察や、その今日的な意味を明らかにし、彼の彫刻芸術の核心に触れる機会となることが目指された。「ブックマーク」は185、「行った」は176。

「イサム・ノグチ 発見の道」会場風景

5位:356点「ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?」(ポーラ美術館)

4位は、2022年3月30日までポーラ美術館で開催中の「ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?」。ロニ・ホーンは1955年生まれ、ニューヨーク在住。写真、彫刻、ドローイング、本など多様なメディアでコンセプチュアルな作品を制作してきた。国内美術館で初となる今回の展覧会は、近年の代表作であるガラスの彫刻作品をはじめ、1980年代から今日に至るまでの、約40年間におよぶ実践の数々を紹介するというもの。山奥で木々に囲まれた美術館のロケーションと作品組み合わせもばっちりだ。「ブックマーク」は306、「行った」は50。レポートはこちらから。

ロニ・ホーン 無題(「 必要なニュースはすべて天気予報から手に入れる。 」) 2018-2020 「ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?」(ポーラ美術館)会場風景 Courtesy of the artist and Hauser & Wirth Photo: Koroda Takeru © Roni Horn

6位:351点「和田誠展」(東京オペラシティ アートギャラリー)

雑誌『週刊文春』の表紙絵や、タバコの「ハイライト」のパッケージデザインなどで知られる、国民的イラストレーターの和田誠。その膨大で多岐にわたる仕事の全貌に迫る、東京オペラシティ アートギャラリー「和田誠展」は6位にランクインした。約30のトピックスにわけることで和田誠の仕事の全貌をとらえることを試みた大規模な本展では「このイラストも和田さんだったのか!」と驚きの発見があった読者も多いのではないだろうか。「ブックマーク」は229、「行った」は122。レポートはこちらから。

「和田誠展」会場風景

7位:319点「ルール ? 展」(21_21 DESIGN SIGHT)

7位は21_21 DESIGN SIGHTで行われた「ルール? 展」。法律家の水野祐、コグニティブデザイナーの菅俊一、キュレーターの田中みゆきの3名が展覧会ディレクターチームとなり、それぞれの視点を融合させて、新しいルールの見方・つくり方・使い方とこれからの展覧会のあり方を提示した本展はTikTokを始めとするSNSでも大人気だった。「ブックマーク」は251、「行った」は68。レポートはこちらから。

「ルール ? 展」会場風景

8位:313点「佐藤可士和 展」(国立新美術館)

1990年代、株式会社博報堂でアートディレクターとして斬新な広告プロジェクトを次々と手がけ、2000年の独立以降、企業から、幼稚園や大学などの教育機関、病院、ミュージアム、エンターテインメント界、ファッション界、そして地域産業まで、多種多様なクライアントを対象として、革新的なVI・CI計画やブランド戦略を手がけてきた佐藤可士和。佐藤自身がキュレーションする会場構成で過去最大規模の個展となる国立新美術館の「佐藤可士和 展」が8位にランクイン。「ブックマーク」は193、「行った」は120。

「佐藤可士和 展」会場風景

9位:312点「クリスチャン・マークレー トランスレーティング[翻訳する]」(東京都現代美術館)

2月23日まで東京都現代美術館で開催中の「クリスチャン・マークレー トランスレーティング[翻訳する]」は9位。日本の美術館で開催される初の大規模な個展でもある本展では、コンセプチュアル・アートやパンク・ミュージックに影響を受けた初期作品から、イメージと音の情報のサンプルを組み立てた大規模なインスタレーション、さらには現代社会に蔓延する不安を映し出した最新作まで、その多岐にわたる活動の全貌を紹介する。「ブックマーク」は273、「行った」は39。記者会見でマークレーが語った言葉も交えたレポートはこちらから。

「クリスチャン・マークレー トランスレーティング[翻訳する]」会場風景

10位:300点「GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」(東京都現代美術館)

東京都現代美術館で行われた「GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」は10位。「作品による自伝」をテーマに企画された「GENKYO横尾忠則」愛知展を、作家自身がリミックス。横尾忠則の総監修のもとに、出品作品を半分以上入れ替え、構成を根本から見直し、まったく新しい展覧会として生まれ変わらせた。新しい観点から語られた横尾芸術の真実を体感できる。「ブックマーク」は154、「行った」は146。レポートはこちらから。

「GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」会場風景 撮影:永田晶子

11位からは、「ユージーン・スタジオ 新しい海 EUGENE STUDIO After the rainbow」(東京都現代美術館)、ギルバート & ジョージ 「Class War, Militant, Gateway」(エスパス ルイ・ヴィトン東京)、「ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」(東京都美術館)、「ストーリーはいつも不完全……」「色を想像する」 ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展(東京オペラシティ アートギャラリー)などが僅差でランクイン。現在も開催中の展覧会も多数あるため、TABアプリを活用しながら展覧会鑑賞をお楽しみください!

野路千晶(編集部)

野路千晶(編集部)

のじ・ちあき Tokyo Art Beatエグゼクティブ・エディター。広島県生まれ。NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]、ウェブ版「美術手帖」編集部を経て、2019年末より現職。編集、執筆、アートコーディネーターなど。