公開日:2024年1月2日

2024年に訪れたい芸術祭まとめ。北海道から沖縄まで、国内外の現代アートを楽しむ

2024年に開催される全国の注目芸術祭をピックアップ。追加情報は随時アップデート予定。

北アルプス国際芸術祭2024の開催地イメージ

【北海道/1〜2月】札幌国際芸術祭2024(SIAF2024)

札幌で世界の最新アート作品に出合えるアートイベントが6年半振りに開催。札幌市内6会場を中心に、10ヶ国以上から約50組のアーティストが参加し、日本初公開の新作も展示される。

参加作家はエイミー・カール、青木美歌、チェ・ウラム、フジ森、ジョヴァンニ・ベッティ+カタリーナ・フレック、後藤映則、長谷川愛、h.o、キャシー・ジェトニル=キジナー + アカ・ニワイアナ、KOMAKUS、国松希根太、中里唯馬、小川絵美子、クアヨラ、施井泰平、スーパーフラックスら。

会場:北海道立近代美術館ほか
会期:1月20日〜2月25日

エネス エアシップ・オーケストラ Photo by Ben WEINSTEIN
ユッシ・アンジェスレヴァ+AATB Pinnannousu

【沖縄/1〜2月】やんばるアートフェスティバル2023-2024

沖縄を舞台とした7回目の「やんばるアートフェスティバル」では、沖縄で「縁起が良いこと」を意味するカリー(嘉例)をキーワードに、嘉例ヌ源(読み:カリーヌムトゥ)のテーマで開催される。総合ディレクターは仲程長治エキシビション部門ディレクターは金島隆弘。

参加作家は青木芳昭+丹羽優太、浅田政志、伊藤彩×許芝瑜、伊波リンダ、Uymam Project、大小島真木、大塚諒平×BIEN、カゼモニワ多田弘×濱元朝和、片桐功敦、Keeenue、金サジ、KYOTARO HAYASHI×Ryu、五風十雨、廖建忠、進藤冬華、椿昇、DOPPEL、永井英男、仲程長治ら。

会場:大宜味村立旧塩屋小学校(大宜味ユーティリティーセンター)ほか
会期:1月20日~ 2月25日
https://yambaru-artfes.jp/

メイン会場の大宜味村立旧塩屋小学校
KOM I(コムアイ)  切れても切れても、結ぶことを(SIDE CORE 企画「Spool of Time」より)

【東京/2月】恵比寿映像祭2024

「映像とは何か」という問いを投げかけながら、毎回テーマをかかげて国内外の映像表現を紹介する「恵比寿映像祭」。第16回を迎える2024年は、「月へ行く30の方法」というテーマを写真や映像を主とした様々な表現によってひもとき、アーティストだけでなく、そこに参加する観客とともに考えていく。周辺地域で行われるサテライト展示も多数。

参加作家はキャシー・アッカー、青木陵子+伊藤存、荒川ナッシュ医、荒木悠、コリー・アーケンジェル、有馬かおる、ジョン・バルデッサリ、バーナデット・コーポレーション、ダラ・バーンバウム、陳林棟(チンリントウ)、チェ ミンホ、周慶輝(ゾゥ・チンフォエ)、ジェイ・チュン&キュウ・タケキ・マエダ、ハロルド・クロックスら。

会場:東京都写真美術館ほか
会期:2月2日〜18日

エヴェリン・タオチェン・ワン(王伊芙苓韜程) A Scripted Impression パフォーマンス写真、2022 Courtesy Busan Biennale Organizing Committee © Sang-tae Kim
中谷芙二子 卵の静力学 1973 東京都写真美術館蔵 ©Fujiko Nakaya

【神奈川/3〜6月】第8回 横浜トリエンナーレ

2001年より、3年に1度横浜で開催される日本を代表する現代アートの国際展。アーティスティック・ディレクターにリウ・ディン(劉鼎)、キャロル・インホワ・ルー(盧迎華)を迎え、「野草:いま、ここで生きてる」のテーマで開催。

11月に発表されたアーティスト第一弾では、参加アーティストは67組。うち日本初出展が30組、新作を出展するのが21組で、日本で初めて紹介されるアーティストが多数出展することがわかった。

オープングループ、北島敬三、SIDE CORE、ピッパ・ガーナー、ヨアル・ナンゴ、ルンギスワ・グンタ、森村泰昌、丹羽良徳、 志賀理江子、富山妙子、スーザン・チャンチオロ、ラリー・クラーク、ジョシュ・クライン、何兆南(サウス・ホー)、黄博志(ホァン・ボージィ)らが参加作家に名を連ねる。

会場:横浜美術館、旧第⼀銀⾏横浜⽀店、BankART KAIKO
会期:3⽉15⽇〜6⽉9⽇

ヨアル・ナンゴ GIRJEGUMPI: The Sámi Architecture Library in Jokkmokk 2018 Photo by Astrid Fadnes
Lungiswa Gqunta “Ntabamanzi” 2022 Courtesy of the artist and Henry Moore Foundation Photo by Rob Harris

【千葉/3〜5月】百年後芸術祭 〜環境と欲望〜 内房総アートフェス

内房総5市(市原市、⽊更津市、君津市、袖ケ浦市、富津市)を舞台に、昨年9月からイベント・パフォーマンス期間が始まっている「百年後芸術祭ー内房総アートフェスー」。3月からはアート作品の展示期間もスタートし、小谷元彦や名和晃平、さわひらき、梅田哲也、クワクボリョウタ、KOSUGE1-16、島袋道浩、鈴木ヒラク、冨安由真、毛利悠子、森靖、アコンチ・スタジオら約70組の作品が公開される。総合プロデューサーは小林武史、アートディレクターは北川フラム。開催の概要はニュースをチェック

会場:内房総5市(市原市、木更津市、君津市、袖ケ浦市、富津市)の各地
会期:2023年9⽉30⽇〜2024年5⽉26⽇(イベント・パフォーマンス期間)、2024年3⽉23⽇〜5⽉26⽇(アート作品展⽰期間)

©︎ https://alicjakwade.com Photograph by Lance Gerber

【京都/4〜5月】KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2024

「KYOTOGRAPHIE」の開催は今回で12回目。現代社会をとらえたテーマを掲げてきた本芸術祭。今回のテーマは初め/始まりであり、起源を意味する「SOURCE」。京都各所で13の展覧会が開催され、クラウディア・アンドゥハル、ティエリー・アルドゥアン、ヨリヤス(ヤシン・アラウイ・イズマイーリ)、川田喜久治、川内倫子、潮田登久子ら10ヶ国から13名のアーティストが集結する。ニュースはこちら

会場:京都文化博物館 別館ほか
会期:4月13日〜5月12日

川田喜久治 From the series Los Caprichos, Near Far 1933 © Kikuji Kawada, Courtesy PGI

【青森/4〜9月】AOMORI GOKAN アートフェス2024

青森県内で現代アートを楽しめる5つの美術館・アートセンター(青森県立美術館、青森公立大学 国際芸術センター青森、弘前れんが倉庫美術館、八戸市美術館、十和田市現代美術館)が中心となり芸術祭を初開催。「つらなりのはらっぱ」をテーマに、ディレクターは置かず、この地に根差して活動する各館のキュレーターが協働するスタイルだ。

青森県立美術館は原口典之、吉田克らを紹介する「かさなりとまじわり」、青森公立大学国際芸術センター青森(ACAC)はある場所とかかわり合いながら表現をつむぎ出す国内外のアーティスト、青森ゆかりの表現者たちによる作品が集う「currents / undercurrents -いま、めくるめく流れは出会って」、弘前れんが倉庫美術館は「蜷川実花展 with EiM:儚くも煌めく境界」と「弘前エクスチェンジ#06『白神覗見考』」の2つの展示。八戸市美術館は八戸を拠点に活動する5人のアーティストが来館者とともに作り、楽しむプロジェクトを展開する「エンジョイ!アートファーム!!」、十和田市現代美術館はアートフェスのテーマである「はらっぱ」を自然と人間の交わるところととらえ、それらの複雑に絡まる関係性に注目した展覧会「野良になる」を開催。各館の展覧会やプロジェクトはこちらの記事を参考にしてほしい。

会場:青森県立美術館、青森公立大学 国際芸術センター青森、弘前れんが倉庫美術館、八戸市美術館、十和田市現代美術館
会期:4月13日〜9月1日

岩根愛 The Opening 2022 青森公立大学国際芸術センター青森(ACAC)「currents / undercurrents -いま、めくるめく流れは出会って」展参考画像
東方悠平 TENGUBUCKS Cafe in Hue - Coffee Float 2019 八戸市美術館「エンジョイ!アートファーム!!」展(八戸市美術館)参考画像

【新潟/夏】さどの島銀河芸術祭2024

佐渡民謡や鬼太鼓をはじめとする伝統芸能や、歴史的建造物等の様々な文化資源を活用し、芸術、パフォーマンスなどをかけあわせ展示・発表する「さどの島銀河芸術祭」。

これまでにテリー・ライリー、鼓童、灰野敬二などが参加し、大自然の中で体験する、食・映像・音楽の融合したアート・イベントや、落合陽一、日野浩志郎(YPY)と石原只寛を招き、地域芸能×現代芸術のパフォーマンスライブなどユニークな試みを行ってきたが、今年も夏に開催が予定されている。

会場:佐渡島内各所
会期:2024年夏開催予定
https://sado-art.com/

山井隆介+長谷川億名 函数の部屋 ©︎ Ryusuke Yamai, Yokuna Hasegawa

【新潟/7〜11月】大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2024

「人間は自然に内包される」を理念に、新潟県十日町市・津南町の約760㎢の広大な土地を美術館に見立てた「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は、自然を舞台にした芸術祭の草分け的存在でもあり、今年で25周年を迎える。総合ディレクターは北川フラム。

なお、本芸術祭に先駆けて、1月13日〜3月10日にかけ「越後妻有2024 大地の芸術祭 冬」が行われる。効率よく作品を見ることができるオフィシャルツアーもおすすめだ。

会場:越後妻有里山現代美術館MonET、まつだい「農舞台」ほか
会期:7月13日~11月10日
https://www.echigo-tsumari.jp/news/20230721/

ダダン・クリスタント カクラ・クルクル・アット・ツマリ Photo by Miyamoto Takenori + Seno Hiromi

【山形/9月】山形ビエンナーレ2024

2014年に第1回を開催し、2024年で6回目を数える「山形ビエンナーレ」。今回からメイン会場をこれまでの山形市中心市街から蔵王温泉エリアに移し、「いのちをうたう」をテーマに、温泉地でのアート体験により心身の健康を回復する芸術祭を目指す。

総合プロデューサーは東北芸術工科大学学長の中山ダイスケ、芸術監督は医師の稲葉俊郎、総合キュレーターは小金沢智、プロジェクトディレクターは三瀬夏之介ら東北芸術工科大学のスタッフが名を連ねる。詳細は2月より順次公開される。

会場:山形県山形市(蔵王温泉街および東北芸術工科大学)
会期:9月1日〜16日
https://biennale.tuad.ac.jp/

山形ビエンナーレ2022:土と人─ORGANIC MARKET 撮影:志鎌康平

【長野/9〜11月】北アルプス国際芸術祭2024

3回目となる「北アルプス国際芸術祭2024」が2024年秋に開幕する。総合ディレクターは北川フラム、ビジュアルディレクターは皆川明。市街地エリア、ダムエリア、源流エリア、仁科三湖エリア、東山エリアという自然豊かな5のエリアで作品を展開する。

参加作家はソ・ミンジョン、ムルヤナ、ルデル・モー、エカテリーナ・ムロムツェワ、淺井裕介、ダナ・アワルタニ、川俣正、木村崇人、イアン・ケア、平田五郎、松本秋則、目[me]、ヨウ・ウェンフー(游文富)、ジミー・リャオ(幾米)ら。2024年3月中旬には参加アーティストの詳細が発表される。

会場:長野県大町市
会期:9月13日~11月4日
https://shinano-omachi.jp/

開催地イメージ
ソ・ミンジョン Sum in a Point of Time - Existence 2014 参考作品

【岡山/9〜11月】森の芸術祭 晴れの国・岡山

中国山地の雄大な自然に加え、旧街道の宿場町や城下町として栄えた歴史ある街並み、古くから受け継がれた伝統、芸能、多彩な農産物など、魅力的な風景・文化・地域資源が数多くある岡山で「森の芸術祭 晴れの国・岡山」が初開催される。アートディレクターは、金沢21世紀美術館館長、キュレーター兼美術評論家である長谷川祐子。

参加作家はパオラ・べザーナ、ビアンカ・ボンディ、AKI INOMATA、ウメッシュ・P・K、片桐功敦、川内倫子、キムスージャ、森山未來、太田三郎、スミッタ・G・S、妹島和世、立石従寛、リクリット・ティラヴァニ、上田義彦、アシム・ワキフ、ジャコモ・ザガネッリ。

会場:岡山県内の12市町村
会期:9月28日〜11月24日

ビアンカ・ボンディ Scrying in Astral Ponds 2022 Photo be Jean-Christophe Lett © MAMAC, Nice / Bianca Bondi / ADAGP
ウメッシュ・P・K Light flows like water 2017 © Umesh P.K

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