公開日:2024年1月18日

週末見たい展覧会5選。奈良美智、ホンマタカシの個展、日本の前衛写真など【2024年1月第2週】

毎週更新。TABが取材した展覧会や、編集部が注目する展覧会をピックアップ。今週は奈良美智、ホンマタカシ、鈴木繁男の個展、前衛写真と1960年代の美術に注目する展覧会の5つ

左上から時計回りに、「即興 ホンマタカシ」(東京都写真美術館)、「奈良美智: The Beginning Place ここから」(青森県立美術館)、「『前衛』写真の精神: なんでもないものの変容」(渋谷区立松濤美術館)、 「イメージと記号—1960年代美術の諸相」(神奈川県立近代美術館 鎌倉別館 © The Estate of Masakazu Horiuti Courtesy of Yumiko Chiba Associates 撮影:佐治康生)

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*1月スタートの展覧会はこちらをチェック

奈良美智: The Beginning Place ここから(青森県立美術館)

奈良美智の大規模個展は、世界最大の奈良コレクションを持つ青森県立美術館で開催中。同館での個展開催は、これで2度目。およそ10年ぶりとなる本展では学生時代の作品から近作まで公開され、とくに東日本大震災以降、約12年間の活動に焦点が当てられる。展覧会の様子はフォトレポートをチェック奈良へのロングインタビューや、本展の企画を担当した青森県立美術館学芸員の高橋しげみへのインタビューも合わせて読んでおきたい。

会場:青森県立美術館
会期:2023年10月14日~2024年2月25日

即興 ホンマタカシ(東京都写真美術館)

東京都写真美術館で開催されているホンマタカシの個展は今週で閉幕。ホンマはこれまで、東京郊外の風景と人々を叙情性を排した視点でとらえた写真を制作してきた。本展では、ピンホールカメラの技法を用いて撮影された近作2シリーズなどを公開。写真・映像表現の在り方に問いを投げかける。フォトレポートはこちら

会場:東京都写真美術館
会期:2023年10月6日~2024年1月21日

「前衛」写真の精神: なんでもないものの変容(渋谷区立松濤美術館、東京)

千葉市美術館や新潟市美術館などで開催されてきた本展は、松濤美術館へ巡回中。写真におけるシュルレアリスムを説いた瀧口修造、瀧口とともに「前衛写真協会」を設立した阿部展也、ふたりに魅了され「なんでもない写真」というシリーズを手がけた大辻清司、大辻の愛弟子である牛腸茂雄。本展は、昭和という時代のなかで、この4人の作家が作り上げた「前衛」に迫る企画だ。千葉市美術館での展示の様子はフォトレポートをチェック

会場:渋谷区立松濤美術館
会期:2023年12月2日~2024年2月4日

柳宗悦唯一の内弟子 鈴木繁男展 ―手と眼の創作(日本民藝館、東京)

鈴木繁男は、民藝の父柳宗悦に才能を認められ、唯一の内弟子として教育を受けた工芸家。作家の没後20年を記念し、本展では陶磁器、装幀、漆絵などを紹介。その仕事を顕彰する。筆や型を用いて描かれた、独特な品格を持つ模様に注目したい。

会場:日本民藝館
会期:1月14日〜3月20日
ミューぽんで200円OFF!(1名まで割引)

イメージと記号—1960年代美術の諸相(神奈川県立近代美術館 鎌倉別館)

本展は、美術の制度的な側面が問われていた1960年代に焦点を当てた企画。出展作家は井上長三郎、堀内正和、杉全直、飯田善國、高松次郎、若林奮など。とくに、1967年に開催された第9回東京ビエンナーレを美術と社会の接点を前景化する転換点ととらえ、ビエンナーレ出品作や資料も交えつつ、ひとつの時代を検証する。

会場:神奈川県立近代美術館 鎌倉別館
会期:12月9日〜2024年2月12日
ミューぽんで100円OFF!(1名まで割引)

浅見悠吾

浅見悠吾

1999年、千葉県生まれ。2021〜23年、Tokyo Art Beat エディトリアルインターン。東京工業大学大学院社会・人間科学コース在籍(伊藤亜紗研究室)。フランス・パリ在住。