公開日:2025年12月9日

【大阪・関西】冬休みに見たい、おすすめ展覧会16選[2025-26年]

12月下旬から1月上旬にかけて、関西で開催されている注目展覧会をジャンル別にピックアップ。ゴッホ、シュルレアリスムから草間彌生まで

年末年始の冬休み期間に関西地方で開催されている注目展覧会をピックアップ。気になる展覧会はウェブまたはアプリからログインしてフォローしておくのがおすすめ。開幕と閉幕間近はメールでお知らせします。

*会期・内容は予告なく変更になる場合があるため、お出かけ前には公式ウェブサイトをご確認ください。

*東京編はこちら

  1. ◎絵画、彫刻
  2. 【大阪】「天空のアトラス イタリア館の至宝」(大阪市立美術館)
  3. 【大阪】「山王美術館コレクションでつづる 女性画家たち展」(山王美術館)
  4. 【兵庫】「阪神・淡路大震災30年 大ゴッホ展 夜のカフェテラス」(神戸市立博物館)
  5. ◎現代アート
  6. 【京都】「セカイノコトワリ―私たちの時代の美術 #WhereDoWeStand? : Art in Our Time」(京都国立近代美術館)
  7. 【大阪】「プラカードのために」(国立国際美術館)
  8. 【大阪】草間彌生 「INFINITY - SELECTED WORKS FROM THE COLLECTION」(エスパス ルイ・ヴィトン大阪)
  9. 【兵庫】「没後十年 白髪富士子 それは豊かに楽しいもの/ひそかにさびしいもの」(尼崎市総合文化センター)
  10. ◎工芸、デザイン
  11. 【三重】「NIGO®と半泥子」(石水博物館)
  12. 【京都】「くらしに花咲くデザイン ―大正イマジュリィの世界」(アサヒグループ大山崎山荘美術館)
  13. 【大阪】「拡大するシュルレアリスム 視覚芸術から広告、ファッション、インテリアへ」(大阪中之島美術館)
  14. 【大阪】「新時代のヴィーナス!アール・デコ100年展」(大阪中之島美術館)
  15. 【兵庫】「リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s–1970s」(兵庫県立美術館)
  16. ◎日本美術
  17. 【京都】「上村松園と美人画の軌跡」(福田美術館)
  18. 【大阪】「密やかな美  小村雪岱のすべて」(あべのハルカス美術館)
  19. 【奈良】「春日若宮おん祭の信仰と美術」(奈良国立博物館)
  20. ◎マンガ、絵本ほか
  21. 【京都】「ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット展」(京都国際マンガミュージアム)

◎絵画、彫刻

【大阪】「天空のアトラス イタリア館の至宝」(大阪市立美術館)

10月に閉幕した「大阪・関西万博」のイタリア館で人気を博した古代ローマ時代の彫刻《ファルネーゼのアトラス》を、大阪市立美術館で公開する特別展。2026年に日本とイタリアが国交160年を迎えることを記念し、万博の文化的レガシーを次世代に引き継ぐことを目指す。会場では、《ファルネーゼのアトラス》のほか、レオナルド・ダ・ヴィンチの《アトランティコ手稿》2点や、同じくルネサンス期に活躍した巨匠ペルジーノの代表作《正義の旗》が展示される。ニュースはこちら

会場:大阪市立美術館
会期:10月25日〜2026年1月12日

【大阪】「山王美術館コレクションでつづる 女性画家たち展」(山王美術館)

2009年のオープン以来、コレクションのみによる展覧会を開催してきた山王美術館。本展では、同館のコレクションから、2025年に生誕150年を迎える上村松園、生誕120年を迎える三岸節子、同じく生誕120年を迎える片岡球子、2026年に没後70年となるマリー・ローランサンという4人の女性画家の作品を展示する。国連で「国際女性デー」が制定されて50年、日本では男女雇用機会均等法制定から40年という節目の年を迎えるにあたって企画された。

会場:山王美術館
会期:9月1日〜2026年1月31日

【兵庫】「阪神・淡路大震災30年 大ゴッホ展 夜のカフェテラス」(神戸市立博物館)

2025年から2026年にかけて、日本国内でゴッホをテーマにした大規模展が相次いで開催されているが、本展は世界第2位のゴッホコレクションを誇るクレラー=ミュラー美術館の所蔵品を中心とした展覧会。2027年に開催する第2期とあわせた2部構成となる。第1期では、《夜のカフェテラス》をはじめとする名品の数々を展示。オランダ時代からアルルに至る画業前半を紹介し、誰もが知るファン・ゴッホになるまでをたどる。レポートはこちら

会場:神戸市立博物館
会期:9月20日〜2026年2月1日

◎現代アート

【京都】「セカイノコトワリ―私たちの時代の美術 #WhereDoWeStand? : Art in Our Time」(京都国立近代美術館)

アーティストは美術を通じて、日常が抱える諸問題や世界の根源的真理への気づきをもたらす存在であると言える。本展では、グローバル化の進展により日本人作家の海外発表機会が拡大した1990年代以降の現代美術を中心に、同館のコレクションから導き出される複数のテーマに基づき、国内作家の実践を紹介する。詳細はニュースをチェック

会場:京都国立近代美術館
会期:12月20日~2025年3月8日

【大阪】「プラカードのために」(国立国際美術館)

美術家・田部光子が1961年に記した「大衆のエネルギーを受け止められるだけのプラカードを作」り、その「たった一枚のプラカードの誕生によって」社会を変える可能性を語った文章から着想を得た展覧会。同年発表の作品《プラカード》に結実した、過酷な現実や社会に対する抵抗の意思と希望を出発点とする。田部光子、牛島智子、志賀理江子、金川晋吾、谷澤紗和子、飯山由貴、笹岡由梨子の7名の作家が、それぞれの生活に根ざしながら生きることと尊厳について考察してきた作品で構成。社会に覆い隠されてきた経験や心情に目を凝らし、既存の制度や構造に問いを投げかける。レポートはこちら

会場:国立国際美術館
会期:11月1日〜2026年2月15日

【大阪】草間彌生 「INFINITY - SELECTED WORKS FROM THE COLLECTION」(エスパス ルイ・ヴィトン大阪)

現在も世界の美術館や芸術祭で作品が紹介され、注目を集め続けている草間彌生。アイテムだけでなく、店舗そのものもドットで覆ったルイ・ヴィトンとのコラボレーションでも話題を呼んだ。本展は、東京、ミュンヘン、ヴェネチア、北京、ソウル、大阪のエスパス ルイ・ヴィトンにてフォンダシオン ルイ・ヴィトンの所蔵コレクションを公開する「Hors-les-murs(壁を越えて)」プログラムの一環で実施されるもの。草間によるインスタレーションや絵画など、国際的なアートシーンに登場した初期から近年の作品までが展示される。TABでは展覧会レポートおよび文筆家の伊藤亜和によるテキストを公開中。

会場:エスパス ルイ・ヴィトン大阪
会期:7月16日〜2026年1月12日

【兵庫】「没後十年 白髪富士子 それは豊かに楽しいもの/ひそかにさびしいもの」(尼崎市総合文化センター)

前衛美術家・白髪富士子の歩みを回顧する展覧会。1928年に大阪で生まれた白髪富士子(旧姓・植村)は、20歳のときに京都市立美術専門学校の卒業を間近に控えた白髪一雄と結婚し、翌年に長男を出産。子育てをしながら白髪の絵画制作を間近に見るうちに自身も創作に目覚めて作品制作を始め、1955年に白髪とともに前衛美術グループ「具体美術協会(具体)」に入会。本格的に制作発表を行う。和紙やガラスなどの素材を用いた作品で注目を集めるが、白髪一雄の評価が高まり多忙となったことから、1961年に自身の創作活動を終え、以降は白髪のアクション・ペインティングを補佐し、ともに制作に取り組んだ。本展では、短いあいだながら前衛美術家として才能を発揮した白髪富士子の作品を、白髪一雄とあわせて展示する。

会場:尼崎市総合文化センター 白髪一雄記念室
会期:11月15日〜2026年3月22日

◎工芸、デザイン

【三重】「NIGO®と半泥子」(石水博物館)

世界的ファッションデザイナーであるNIGO®(1970〜)は、銀行家であり陶芸家でもあった三重県出身の川喜田半泥子(1878〜1963)をかねてより敬愛し、半泥子作品のコレクターとしても知られている。またここ10年は茶道に精進し、半泥子が開いた廣永窯(現仙鶴窯)をはじめとする全国各地の窯元を訪ね、茶碗作りに勤しんできた。本展はそんな両者が時を超え、「茶の湯の茶碗」を介して出会う展覧会。半泥子が設立した財団法人石水会館を母体とし、半泥子の本拠地であった三重県津市・千歳山に位置する石水博物館で、NIGO®が蒐集した半泥子作品55点と、NIGO®の自作茶碗25点を一堂に展示する。

会場:石水博物館
会期:11月15日〜2026年1月12日

【京都】「くらしに花咲くデザイン ―大正イマジュリィの世界」(アサヒグループ大山崎山荘美術館)

「イマジュリィ(imagerie)」は、イメージ図像を意味するフランス語。本展では、本や雑誌の挿画、装幀、絵はがき、ポスターなど大衆的な印刷物や版画の総称としてこの言葉が用いられる。今回紹介されるのは、大衆文化が隆盛した大正時代に、当時の時代背景と並走しながら独自の表現を次々に生みだしていた、藤島武二、橋口五葉、竹久夢二、杉浦非水らの多彩なデザインやイラストレーション。日本のくらしに花咲いた魅力あふれるイマジュリィの世界を、存分に堪能できるような機会となる。

会場:アサヒグループ大山崎山荘美術館
会期:12月20日〜2026年3月8日
ミューぽんで100円OFF!

【大阪】「拡大するシュルレアリスム 視覚芸術から広告、ファッション、インテリアへ」(大阪中之島美術館)

アンドレ・ブルトンが定義づけ、近現代の美術に大きな影響を及ぼしたシュルレアリスムは、広告やファッション、インテリアなどをはじめとする生活空間にも広がりをもたらしていた。本展では、日本国内に所蔵されているシュルレアリスムの思想に影響を受けた名品が集結。圧倒的存在感をもって視覚芸術、ひいては社会全体へと拡大した思想運動を表現の媒体というキーワードのもと解体し、シュルレアリスム像の再構築を目指す。

会場:大阪中之島美術館
会期:12月13日〜2026年3月8日

【大阪】「新時代のヴィーナス!アール・デコ100年展」(大阪中之島美術館)

2025年は、1925年にパリで開催された現代産業装飾芸術国際博覧会が100周年を迎える年。装飾芸術に焦点を当てたこの博覧会は「アール・デコ博」と呼ばれ、以降アメリカをはじめとする諸外国に国際的な影響をおよぼした。本展では、アール・デコと呼ばれる様式のなかでも、とくに女性と関わりの深いデザイン作品にフォーカスし、当時のグラフィック、ファッション、ジュエリー、香水瓶、乗用車などを紹介。100年前の「理想的な女性」像を振り返り、そのデザイン諸相を再発見する展覧会となる。ニュースはこちら

会場:大阪中之島美術館
会期:10月4日〜2026年1月4日

【兵庫】「リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s–1970s」(兵庫県立美術館)

1920年代から70年代にかけて、建築家たちが手がけた住宅をめぐる革新的な試みに着目する展覧会。当代の暮らしを根本から問い直し、快適性や機能性、芸術性の向上を目指して設計された戸建ての住宅を、衛生、素材、窓、キッチン、調度、メディア、ランドスケープという、モダン・ハウスを特徴づける7つの観点から再考する。とくにル・コルビュジエやルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエらが手がけた14邸を中心に、写真や図面、スケッチ、模型、家具、テキスタイル、食器、雑誌やグラフィックなどを通じて、20世紀の住まいの実験を検証する。2025年6月まで東京の国立新美術館で開催された際のレポートはこちら

会場:兵庫県立美術館
会期:9月20日〜2026年1月4日

◎日本美術

【京都】「上村松園と美人画の軌跡」(福田美術館)

上村松園は近代期を代表する日本画家。彼女は一貫して美人画をテーマに制作を行い、生涯をかけてその可能性と、理想の美を追い求めた。生誕150年の節目に開催される本展では、国内有数の美人画コレクションを誇る同館の所蔵品から、松園作品を含む美人画の名作が集結。上村松園の活躍に惹かれて同じ道に進んだ女性の画家たち——伊東深水、大林千萬樹、門井掬水など——の作品も並べて展示することで、近代の美人画というジャンルがたどってきた軌跡を紹介する。

会場:福田美術館
会期:10月11日〜2026年1月18日

【大阪】「密やかな美  小村雪岱のすべて」(あべのハルカス美術館)

小村雪岱は、大正から昭和初期にかけて活躍した美術家。日本画や書籍の装幀、挿絵や映画の美術考証、舞台装置に至るまで幅広く活動し、情趣溢れる端麗な画風から「昭和の春信」と称された。本展では、雪岱の代表作を網羅しつつ、彼の画業を「人」とのつながりから再考。泉鏡花をはじめとする数多の文学者や松岡映丘などの日本画家、出版人や舞台人たちとの交流と協働に光をあて、互いの仕事へのリスペクトから雪岱の作品世界がいかに生み出されたかをみつめ、新たな雪岱像の構築を目指す。

会場:あべのハルカス美術館
会期:12月27日〜2026年3月1日

【奈良】「春日若宮おん祭の信仰と美術」(奈良国立博物館)

春日若宮おん祭は、1年に一度、春日大社の春日若宮(若宮神社)より若宮神を御旅所へと迎え、1日にわたって様々な芸能を捧げる祭礼。本展はおん祭の歴史と祭礼、ならびに春日大社への信仰に関わる美術を紹介する同館の恒例の企画だ。会場には精緻な技巧が凝らされた神宝とともに、近年行われた文化財復元の成果もあわせて展示。春日信仰にまつわる数々の作品を通じて、大和一国を挙げて行われた華やかなおん祭の世界を総覧するような機会となる。

会場:奈良国立博物館
会期:12月13日〜2026年1月18日

◎マンガ、絵本ほか

【京都】「ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット展」(京都国際マンガミュージアム)

月刊誌『コミックガーデン』及びWEBコミックサイト「マグコミ」(マッグガーデン)にて連載中のマンガ作品『ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット』の展覧会。同作品は、猫に触れると人が猫になってしまう現象“ニャンデミック”が突如発生し、可愛い猫に手を上げられない人類が絶滅の危機に瀕してしまうパニックコメディ作品だ。本展では、マンガの原画(デジタル作画出力)のほか、マンガ制作の背景を示す資料や、アニメ版第1話の放映、設定資料なども展示。マンガ・アニメ好きのみならず、猫好きも楽しめるような展覧会となる。

会場:京都国際マンガミュージアム
会期:12月13日〜2026年4月7日

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