2025年夏から秋にかけて開催されるおすすめ芸術祭やアートイベントを全国からピックアップ。気になる展覧会はウェブ版でのログインやTABアプリでブックマークがおすすめ。アプリでは、開幕と閉幕間近をプッシュ通知でお知らせします。
*2025年下半期のおすすめ展覧会も公開中:
六本木をアートが彩る3日間。美術館や文化施設、大型複合施設、商店街など六本木全域を舞台に、インスタレーション、パフォーマンス、音楽、映像、トーク、デジタルアートなど、約30組のアーティストによる50以上のプログラムを展開する。14回目となる今回は、「都市とアートとミライのお祭り」がテーマ。なかでも注目なのが、昨年から始まった特定の国・地域に焦点をあてる「RAN Focus」だ。去年の台湾に続き、今年は国交正常化60周年を迎えた韓国にフォーカス。森美術館「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」展でも注目を集めた映像作家キム・アヨンをはじめ、イム・ジビン、カン・ジェウォン、ジン・ヨンソブ、TAGO、ソ・ナンジェら気鋭のアーティストが参加する。詳細はニュースへ。
会場:森美術館、ほか
会期:9月26日~28日
9月に横浜で開催される国際アートフェア「Tokyo Gendai」にあわせて、東京・天王洲で開催される連携企画が「TENNOZ ART WEEK 2025」。、ナイル・ケティングによる倉庫空間に着想を得たパフォーマティブ・インスタレーション、諏訪敦の約3年ぶりとなる大規模個展(9月11日〜2026年3月1日、ニュース)、複数ギャラリーによるグループ展示、伝統画材を使ったワークショップなど、寺田倉庫の全6施設を使ってさまざまなプログラムを開催する。
会場:寺田倉庫 G3-6F および 周辺施設
会期:9月11日~9月15日
「秋の隕⽯2025東京」は、「新たな芸術の創造」「海外発信」「人材育成」をミッションとし、国内外の舞台芸術作品の上演のほか、世界で活躍出来る人材育成を行う芸術祭。アーティスティック・ディレクターは国内外で活躍する演劇作家、小説家/チェルフィッチュ主宰の岡⽥利規が務める。会期中は「隕石」としての上演作品群や、観客とのコラボレーション、充実したアクセシビリティを通じて、私たちと現実との関係、あるいは上演芸術のあり方そのものを問い直すような試みが行われる。同芸術祭は国内・海外の多様なアーティストらによる「上演プログラム」、レクチャーやワークショップなどの「上演じゃないプログラム」、その両方を支える「ウェルカム体制(=来場サポートのこと)」の3つから構成される。東京芸術劇場前広場には「ウェルカムぎんが」が登場。飲食が楽しめ、ベビーカー連れなど様々な人がストレスなく過ごせる場所になるという。詳細プログラムはニュースへ。
会場:東京芸術劇場、ほか
会期:10月1日〜11月3日

国際芸術祭「東京ビエンナーレ2025」には日本と海外あわせて38組のアーティストが参加。第3回となる今回は、「いっしょに散歩しませんか?」をテーマに、東京のまちを舞台にした“さんぽ”を通してアートと出会う体験を提示する。総合プロデューサーは中村政人(アーティスト、東京藝術大学副学⻑)。キュレトリアル・メンバーに並河進、⻄原珉、服部浩之。詳細はニュースへ。

会場:寛永寺、エトワール海渡リビング館、ほか
会期:10月17日〜12月14日
東京の都市空間を活用しながら国際的なアーティストの作品を展示する都市型芸術祭。今回のテーマは「庭 / Garden」。フランスの庭師・思想家ジル・クレマン『動いている庭』にインスピレーションを受け、「庭」を写真表現によって都市空間に持ち込む。5名のアーティスト(鈴木麻弓、千賀健史、南川恵利、宮地祥平、THE COPY TRAVELERS)を紹介するグループ展、MEP(パリ)が推進する新進作家と実験的な写真表現の発信プラットフォーム「STUDIO」と連携した国際共同キュレーション企画、「I’m So Happy You Are Here|写真集でたどる日本の女性写真家のまなざし」展などを展開する。
また写真フェア「T3 PHOTO ASIA(フェア)」が10月11日〜13日に開催される。
会期:東京・八重洲、日本橋、京橋、銀座エリアの屋内、屋外会場
会場:10月4日〜10月27日

「千葉国際芸術祭」は、トリエンナーレ形式の市民参加型芸術祭として2025年に初開催される。芸術祭のコンセプトは「ちから、ひらく。」。総合ディレクター・中村政人のもと、「新たな文化の創造と魅力の発信」「地域への関心や関わりの醸成」「多様な主体の尊重とつながりの創出」を目的に掲げ、千葉市を舞台に行われる。国内外30組以上のアーティストによる参加型アートプロジェクトを実施予定。まちなかリサーチ・制作期間が4〜9月中旬、集中展示・発表期間が9月19日〜11月24日、振り返り期間が12月。
会場:千葉駅周辺エリア、県庁前エリア、西千葉エリア、花見川エリア、千葉市動物公園
会期:4月〜12月(集中展示・発表期間が9月19日〜11月24日)
2018年にスタートし、今年で6回目を迎える「浅間国際フォトフェスティバル2025 PHOTO MIYOTA」のテーマは、「UNSEEN WORLDS まだ見ぬ世界へ」。テクノロジー、自然、社会、そして個人の内面──。既存の枠を超え、まだ私たちの知らない世界を力強く、そして鮮やかに描き出す写真家たちの作品を紹介する。フランスのエルサ・レディエや小原一真、スティーブン・ギル、THE COPY TRAVELERS(ザ・コピー・トラベラーズ)など全16作家・約300点の作品を通して、観客を「まだ見ぬ世界」へと誘う。
会場:MMoP(モップ)
会期:8月2日〜9月30日

「GO FOR KOGEI 2025」は、「工芸的なるもの」がテーマ。18組の多様な表現や活動を通して、「工芸的アプローチ」によって展開される多面的な創作のかたちを紹介する。素材や技術と真摯に向き合う態度に着目することで、既成概念にとらわれない、豊かで広がりのある表現の可能性を提示する。参加アーティストはアリ・バユアジ、上出惠悟、桑田卓郎、サエボーグ、舘鼻則孝ら。アーティスティックディレクターは秋元雄史(東京藝術大学名誉教授)。
会場:富山県富山市(岩瀬エリア)、石川県金沢市(東山エリア)
会期:9月13日〜10月19日

群馬県中之条町で隔年開催される国際現代芸術祭が10回目を迎える。雄大な山々に囲まれた風景やラムサール条約湿原、長い歴史を持つ温泉郷、養蚕天蚕文化、伝統が受け継がれる民俗行事や祭事など、中之条町にはほかでは見られない美しい里山文化に触れることができます。公募によって参加が決まったアーティストは特色ある山村地域に開かれたアーティスト・イン・レジデンスで滞在制作を行い、その成果を発表する。今年のテーマは「MOUNTAIN OF LIGHT - 光ノ山 -」。群馬県北西部の山村地域で江戸時代から盛んに生産されていた絹糸と、数万年の時間をかけて生物が作り出した鉄鉱石を採掘していた群馬鉄山から着想を得、この土地の未来を描くことを試みる。
会場:群馬県吾妻郡中之条町 町内5エリア約55ヶ所
会期:9月13日〜10月13日
テキスタイル/織物産業と現代アートが融合した国内唯一の布の芸術祭「FUJI TEXTILE WEEK 2025」が2年ぶり4度目の開催。今年は国内外から、テキスタイルだけでなく街の歴史や自然環境にもフォーカスした作品制作を行うアーティストやクリエイターを広く選考。展示会場には、かつての繊維産業が最盛期を誇った時代の工場や問屋などを積極的に活用し、作家の作品を通して、地域に新たな創造的な視点をもたらすことを目指す。第一弾参加アーティストには、齋藤帆奈、増田拓史らが名を連ねている。実行委員会会⻑兼アート展ディレクターは南條史生、アート展キュレーターは丹原健翔。

会場:山梨県富士吉田市下吉田本町通り周辺地域
会期:11月22日~12月14日
2010年から3年ごとに開催されてきた「あいちトリエンナーレ」のタイトルを改め、今回から国際芸術祭「あいち2025」として行われる本芸術祭。『ArtReview』が毎年選出する「Power 100」で2024年の1位に選出されたフール・アル・カシミが芸術監督を務める。テーマは、モダニズムの詩人アドニスによる詩から着想を得て構想された「灰と薔薇のあいまに」。ダラ・ナセル、沖潤子、小川待子、アドリアン・ビシャル・ロハスをはじめ、約50組のアーティストが参加する予定だ。
会場:愛知芸術文化センター、愛知県陶磁美術館、瀬戸市のまちなか
会期:9月13日〜11月30日

「Study:大阪関西国際芸術祭」は、「アート×ヒト×社会の関係をStudyする芸術祭」。「ソーシャルインパクト」をテーマに掲げ、文化芸術による経済活性化や社会課題の可視化を目指す。大阪・関西万博と同時期に開催され、万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」にあわせ、「人間とは何か。」を考察する。ロン・ミュエク、パトリシア・ピッチニーニ、マウリツィオ・カテランらが、安藤忠雄の設計による大阪文化館・天保山(旧サントリー・ミュージアム)を会場にハイパーリアリスティックな彫刻作品を発表するほか、釜ヶ崎芸術大学、kioku手芸館 たんすを拠点に活動する「NISHINARI YOSHIO」が西成エリアを中心に参加する。
会場:大阪・関西万博会場内、大阪文化館・天保山(旧サントリーミュージアム)・ベイエリア、中之島エリア(大阪国際会議場)、船場エリア、西成エリア、JR大阪駅エリア、松原市ほか
会期:4月13日~10月13日
※会場などにより会期が異なります
神戸・六甲山上の豊かな自然を舞台に繰り広げられる現代アートの芸術祭「神戸六甲ミーツ・アート」が今年で16回目を迎える。2010年から毎年開催されてきた本祭では、約60組のアーティストによる作品を山上の各会場に展示し、散策しながらアート鑑賞を楽しめる特別な体験を提供。六甲山の美しい眺望と現代アートが織りなす独特な空間で、自然とアートの調和から生まれる感動を存分に味わうことができる。
会場:六甲ガーデンテラスほか
会期:8月23日〜11月30日
「BIWAKOビエンナーレ」は、滋賀県の琵琶湖を中心に広がる、近江八幡旧市街、沖島、彦根市街地、鳥居本などの複数会場を舞台に、国内外のアーティストが展示を行うアートイベント。総合ディレクター・中田洋子のキュレーションのもと、国内外より約70組のアーティストを招聘。長年放置されている空き家や古民家を会場として活用することで古き良き建築の魅力を再発見し、後世につなぐ「地域再生」も目的のひとつ。近江八幡市内の空き町家や歴史的建造物を修繕・清掃し、アート作品をインストールする。歴史と伝統が根付いた街に点在する会場を巡りながら、作品とともに地域の文化や風土に触れることができる。2025年度のテーマは「流転〜FLUX」となり、開催までに様々なプレイベントも行われている。
会場:滋賀県近江八幡旧市街地、沖島、彦根市街地、彦根城、鳥居本など
会期:9月20日〜11月16日
15年目の節目を迎える「瀬戸内国際芸術祭」は、春・夏・秋会期にわけて計107日間にわたって開催。ジャッガイ・シリブート、プ・ジヒョン、雲門舞集ら21の国と地域から計63組のアーティストが参加する。また新規にニュージーランドやスウェーデンと連携を図り、ニュージーランドからは「第60回ヴェネチア・ビエンナーレ」で金獅子賞を受賞した「マタホ・コレクティブ」のメンバーでもあるサラ・ハドソンが参加。さらに芸術祭の連携プロジェクトとして、開催地域の8つの美術館が日本人アーティストの展覧会を行う。春会期と夏会期のレポートを公開中。
会場:高松港、瀬戸内の島々と沿岸部
会期:夏会期8月1日〜8月31日、秋会期10月3日〜11月9日
3年に1度、岡山市中心部で開催される国際現代美術展。フィリップ・パレーノがアーティスティック・ディレクターを務め、タイトルは村上春樹の小説『1Q84』の触発されてつけられたという「青豆の公園」となる。参加ゲストには、中田英寿、ハンス・ウルリッヒ・オブリスト、プレシャス・オコヨモン、ティノ・セーガル、島袋道浩、リアム・ギリックら30組が名を連ねる。今回は、これまで無料だった屋外展示に揃え、原則有料だった屋内展示も含め、すべての会場を鑑賞料無料とする異例の試みを行う。
会場:岡山城・岡山後楽園周辺エリア
会期:9月26日~11月24日
3年に1度、広島県福山市・尾道市を中心に行われる建築文化の祭典として、2025年に初開催される「ひろしま国際建築祭」。今回は、「つなぐ——『建築』で感じる、私たちの“新しい未来”」をテーマに据え、プリツカー賞を受賞した9人の日本の建築家に焦点を当てる展覧会や、丹下健三の自邸を再建するプロジェクトにまつわる展示などが企画されている。また、文化財指定されている古建築や、通常は非公開の現代建築を特別に一般公開するオープン・アーキテクチャーも開催される。

会場:ふくやま美術館、iti SETOUCHI、神勝寺禅と庭のミュージアム、尾道市立美術館、LOG、ONOMICHI U2、瀬戸内海周辺のサテライト会場ほか
会期:10月4日〜11月30日