最終更新:2022年11月4日

2022年に訪れたい芸術祭まとめ。無人島や温泉地、名建築も舞台に

2022年に開催される注目の芸術祭をピックアップ。追加情報が入り次第、随時アップデートする(最終更新:2022年11月24日)

妹島和世+西沢立衛 / SANAA 海の駅「なおしま」 2006

道後オンセナート2022(愛媛県)

道後オンセナート2022」は道後温泉本館の保存修理期間中の新しい活性化策「みんなの道後温泉 活性化プロジェクト」の一環として行われる芸術祭。2014年、2018年に続き3度目の開催となる今年のテーマは「いきるよろこび」。市原えつこ、エイドリアン・シュテッケヴェー、oblaat、TIDE、髙橋匡太、谷川俊太郎、力石咲ら30組が参加する。開幕に先駆け、道後温泉本館では大竹伸朗《熱景/NETSU-KEI》をプリントしたテント膜が、別館の中庭では蜷川実花《道後温泉別館 飛鳥乃湯泉中庭インスタレーション》が展示されている。ほかにも隅川雄二、尾野光子など約30組の作家が参加し、常設展示やイベントが随時開催予定だ。

会場:道後温泉地区
会期: 4月28日~2023年2月26日
https://dogoonsenart.com/

大竹伸朗《熱景/NETSU-KEI》 © Shinro Ohtake / dogo2021

BIWAKOビエンナーレ(滋賀県近江八幡市、彦根市)

2001年から始まった「BIWAKOビエンナーレ」は10回目となる開催が決定。記念すべきテーマは「起源〜ORIGIN」。会場には、昨年までの近江八幡市街や彦根市街に加え、びわ湖に浮かぶ有人の島沖島や中山道の旧宿場町である鳥居本も追加される。作家陣には米谷健+ジュリア、佐々木類、市川平、江頭誠、トーマス・フォイエルスタイン、イシャム・ベラダなど70組以上を予定している。

会場:近江八幡旧市街、彦根市街ほか
会期:10月8日〜11月27日
https://energyfield.org/biwakobiennale

BIWAKOビエンナーレ2020より、江頭誠×山の湯

今年すでに終了した芸術祭

マツモト建築芸術祭(長野県松本市内)

国宝「旧開智学校」をはじめ、昭和初期に建設された国登録有形文化財「旧第一勧業銀行松本支店」や長野県宝「旧念来寺鐘楼」など、優れた建築がある松本市。「マツモト建築芸術祭」はそんな市内に残る20ヶ所の名建築を会場とした芸術祭だ。参加アーティストは磯谷博史、土屋信子、 中島崇、山内祥太、ロッテ・ライオンなど17人。松本市出身の広告写真家である白鳥真太郎は昭和の洋風建築が特徴の生家「白鳥写真館」を舞台に、同市出身である彫刻家、太田南海の作品は老舗の高級料亭「割烹 松本館」に展示される。名建築で見るアート作品は普段とは一味違って見えるだろう。詳細はレポートをチェック。

会場:長野県松本市内(旧開智学校ほか)
会期:1月29日〜2月20日
https://maaf.jp/

割烹 松本館

Sense Island -感覚の島 暗闇の美術島- 2021(猿島)

横須賀沖に浮かぶ無人島・猿島が舞台となる「Sense Island -感覚の島-」は2年ぶりの開催。夕方から夜間に開催される本芸術祭では、携帯電話が「封印」され、光や情報がシャットダウンされる。そんな暗闇のもと、猿島の自然や各地に配された作品を通じて人間のもつ感覚=senseを呼び起こすことを試みる。プロデューサーでありアーティストとしても参加するのはアブストラクトエンジン代表取締役の齋藤精一。後藤映則、中﨑透、mamoru、毛利悠子ら13組が参加アーティストに名を連ねる。テーマに「音」を据えた本年は、1月29日、2月11日に音楽家・HAIOKAによるパフォーマンスも予定している(チケットは完売)。レポートはこちら

会場:猿島(神奈川県横須賀市)
会期:1月22日〜3月6日
https://senseisland.com

会場風景より

極寒芸術祭(北海道川上郡弟子屈町)

「極寒芸術祭」は氷点下の森が舞台となる珍しい芸術祭。日本一寒い温泉地として知られる北海道弟子屈町川湯温泉で開催され、今年で12回目を迎える。メイン会場は極寒の森に展開される「雪杜野外美術館」。トマ・キメルマン、リー・クーチェ、ルア・リヴェラといった海外作家や関口恒男、本間純、小林大悟などの現代アート作品40点以上が極寒の森に出現する。なお、極寒芸術祭はアーティストインレジデンスも行っており、現在作品も募集中。詳細は公式サイトをチェックしてほしい。

会場:北海道川上郡弟子屈町川湯温泉
会期:2月2日〜3月3日
http://acaf.teshikaga.asia

メイン会場(極寒藝術伝染装置)外観

あまがさきアート・ストロール~Produced By 六甲ミーツ・アート芸術散歩~(兵庫県尼崎市)

「あまがさきアート・ストロール~Produced By 六甲ミーツ・アート芸術散歩~」は、毎年秋に兵庫・六甲山で開催されている「六甲ミーツ・アート芸術散歩」のいわば出張版だ。散歩しながらアートを楽しむというコンセプトはそのままに、市街地の尼崎に展示された現代アート作品を散策しながら鑑賞できる。参加アーティストはStudio Spass、楢木野淑子、イムラアヤコ、上坂直、釜本幸治、久保沙絵子、German Suplex Airlines、鐵羅佑、中尾純など29組。3月5日~4月10日には尼崎市が運営するアートスペース「A-Lab」での特別展示も予定されており、合わせて注目だ。

会場:阪神尼崎駅周辺
会期:3月19日〜27日
https://kansai-tourism-amagasaki.jp/artstroll2022

穂波梅太郎 僕の話 2021

KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭(京都府)

2022年10周年を迎える「KYOTOGRAPHIE(京都国際写真祭)」。仏教用語である「一即一切、一切即一」を背景に持つ「ONE」というテーマのもと、個々の存在を祝うとともにその多様性について讃えることが目指されている。ギイ・ブルダンやアーヴィング・ペン、イサベル・ムニョスなど国際的な写真家の作品を筆頭に、20人の作家による10プログラムを企画。さらに10周年を記念するプログラム「10/10 女性写真家たちの祝祭」では、さらなる活躍が期待される地蔵ゆかり、林典子、細倉真弓、稲岡亜里子、岩根愛、岡部桃、清水はるみ、鈴木麻弓、殿村任香、吉田多麻希という10人の日本人女性写真家の作品が展示される。レポートは要チェックだ。

会場:京都市美術館別館、出町柳商店街ほか
会期:4月9日〜5月8日
https://www.kyotographie.jp/

© The Guy Bourdin Estate 2022 Courtesy of Louise Alexander Gallery

浅間国際フォトフェスティバル2022(長野県)

「浅間国際フォトフェスティバル」は2018年にスタートした芸術祭。今年は株式会社アマナと長野県北佐久郡御代田町の共同開催のもと、御代田町内の文化複合施設MMoP(モップ)を会場とする「PHOTO MIYOTA」とウェブサイト上に作られた「amana virtual museum」で展開する「PHOTO ALT」が行われる。「Mirrors & Windows」というテーマのもと、石内 都、ヴィヴィアン・サッセン、ロバート・ザオ・レンフイ、イェレナ・ヤムチュク、エリック・ケッセルス、吉田志穂、ロレンツォ・ヴィットゥーリらの作品が展示。なお「PHOTO ALT」では7月15日まで「the amana collection」などを中心に若手写真家の作品を公開中だ。

会場:MMoP、amana virtual museum
会期:7月16日〜9月4日
https://asamaphotofes.jp/

amana virtual museum会場風景より、小山泰介《Melting Rainbows》(2010)

「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2022」(山形県)

「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2022」は東北芸術工科大学が主催する芸術祭。オンラインでの開催だった前回の2020年を含め、今回で5回目を迎える本年のテーマは「いのちの混沌を越え いのちをつなぐ」だ。

総合プロデューサーは同大学学長中山ダイスケが務め、芸術監督には現役の医師である稲葉俊郎を迎える。企画は「いのちの学校/土と人」「現代山形考~藻が湖伝説~」「美術の學校ーつくる・つかう・あそぶ・かんがえる」など、7つのプロジェクト/プログラムで構成され、それぞれ、三瀬夏之介、岩井天志、原高史、深井聡一郎、青山ひろゆき、アイハラケンジ、安達大悟などがディレクション・キュレーションを手がける。(2022年7月14日追記)

会場:山形市内
会期:9⽉3⽇〜25日(金土日祝のみ)
https://biennale.tuad.ac.jp/

現代山形考:藻が湖伝説ー新・郷土史の編み方【展示編】より(2021)

「ムーンアートナイト下北沢」(東京都)

東京・下北沢で開催される「ムーンアートナイト下北沢」は、NFTを体感できるアートフェスティバル。小田急電鉄株式会社が主催を、スタートバーン株式会社が共催・総合プロデュースを務め、NFTをはじめとした新たな動向と社会をつなぎ、また日本国外のプレイヤーを巻き込みながら、シモキタカルチャーと海外のアートシーンをつなぐ架け橋となることが目指されている。
本フェスティバルは「月」というテーマを軸に、一般的な芸術祭と異なり飲食店やアパレルショップ、劇場や映画館など、アートに限らず幅広いカルチャーやクリエイティブに関する店舗や施設が参加。またアーティストとしては、オーストラリア、タスマニアを拠点とするAmanda Parer(アマンダ・パーラー)やイギリス在住のヴィジュアル・アーティストLuke Jerram(ルーク・ジェラム)らの参加を予定している。(2022年7月14日追記)

会場:「下北線路街」を中心としたエリア(東北沢駅・下北沢駅・世田谷代田駅の周辺)
会期:9⽉10⽇〜25日
http://moonartnightfes.com/

アマンダ・パーラー Intrude

Reborn-Art Festival 2021-22(宮城県)

昨年8月に前期が開催された「Reborn-Art Festival 2021-22」は今年も8月から後期がスタート。震災から10年目となる今回は「利他」と「流動性」をテーマに掲げ、「アート」「⾳楽」「⾷」を楽しむことを試みる。アートキュレーターに和多利恵津子・浩一(ワタリウム美術館)を迎え、川俣正、加藤泉をはじめ28名が参加予定だ。昨年開催された前期のレポートはこちら。(2022年2月9日追記)

会場:石巻地域
会期:8月20日〜10月2日(夏会期)
https://www.reborn-art-fes.jp

会場風景より、名和晃平《White Deer(Oshika)》(2017)

「さどの島銀河芸術祭プロジェクト2022」 (新潟県)

3年に1度、新潟県・佐渡島を舞台に開催される「さどの島銀河芸術祭」。今年のテーマは「過去と未来の寄港地」だ。佐渡島の玄関口である両津港近くの商店街を主な会場として、ホンマタカシ、宇佐美雅浩、大垣美穂子、ジル・スタッサール、ポル・マロ、Kenta Maruyama、前田優作、 テリー・ライリーらの作品が展示。アール・ブリュット展も同時開催される。吉田盛之が総合プロデューサーを、椹木野衣、宇川直宏、小川弘幸がアドバイザーを務める。会期中にはツアーやキャンプ、シンポジウムも開催されるため、訪れる際はぜひ事前にチェックしておこう。(2022年7月11日追記)

会場:佐渡島
会期:8月7日〜10月9日
https://sado-art.com/

イーサン・エステス Enso Lifecycle 「さどの島銀河芸術祭プロジェクト2019」より

あいち2022(愛知県)

国内最大規模の国際芸術祭のひとつである「あいち2022」。「あいちトリエンナーレ」の後継となる本芸術祭の今回のテーマは「STILL ALIVE(いまだ生きている)」。愛知県出身のコンセプチュアル・アーティスト、河原温の「I Am Still Alive」シリーズに着想を得たものだ。参加作家は、ホダー・アフシャール、リリアナ・アングロ・コルテス、ヤコバス・カポーン、ケイト・クーパー、メアリー・ダパラニー、遠藤薫、潘逸舟、百瀬文、荒川修作+マドリン・ギンズ、シアスター・ゲイツ、バック・トゥ・バック・シアター、カデール・アティなどおよそ100組ほど。現代美術、パフォーミングアーツ、ラーニング・プログラムなど、ジャンルを横断して展開される本芸術祭。多様な表現を通じて最新鋭の芸術に触れてみてはいかがだろうか。

会場:愛知芸術文化センター、一宮市、常滑市、有松地区(名古屋市)
会期:7月30日〜10月10日
https://aichitriennale.jp

ホダー・アフシャール リメイン 2018 © the artist and Milani Gallery

瀬戸内国際芸術祭(岡山県、香川県)

「海の復権」をスローガンに、地方の魅力を再発掘することを目指す瀬戸内国際芸術祭は3年ぶり5度目の開催。木ノ下歌舞伎、片岡純也+岩竹理恵、ソピアップ・ピッチ、保科豊巳ら初参加の作家をはじめ、コシノジュンコ、青木野枝、村山悟郎など100組以上が参加予定だ。新作に限らず、常設されている直島の草間彌生《赤かぼちゃ》(1994)や高松築地駅付近のジュリアン・オピー《銀行家、弁護士、看護師、探偵》(2015)など、これまでの名作たちもあわせて見に行ってみよう。春会期のレポートはこちら

会場:高松港周辺、直島、豊島ほか
会期:4月14日〜5月18日(春会期)、8月5日〜9月4日(夏会期)、9月29日〜11月6日(秋会期)
https://setouchi-artfest.jp

妹島和世+西沢立衛 / SANAA 海の駅「なおしま」 2006

越後妻有 大地の芸術祭 2022(新潟県)

2000年から開催を続ける「大地の芸術祭」は昨年8回目を迎える予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期。下記の通り日程が決定した。
3月13日までは、芸術祭に先立ちイベント「『大地の芸術祭』の里 越後妻有 2022冬 SNOWART」が開催。地域や雪にまつわる展示や郷土料理付きツアーなどが、冬の越後妻有を舞台に展開された。
本年の「越後妻有 大地の芸術祭 2022」の参加作家には名和晃平、中谷芙二子、中谷ミチコ、目 [mé]、川俣正、エステル・ストッカー、パノラマティクス/齋藤精一、田中泯、森山未來、巻上公一など、90組以上が名を連ねる。雄大な山々に囲まれた里山・越後妻有。アートを通じてその魅力を体感してはいかがだろうか。現地の様子はレポートをチェック!(2022年3月9日追記)

会場:越後妻有地域
会期:4月29日〜11月13日
https://www.echigo-tsumari.jp

イリヤ&エミリア・カバコフ 16本のロープ 撮影:木奥恵三

「MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館」(奈良県)

2020年に始まった「MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館」は奥大和エリアの自然を体感するために、最長5時間かけて歩きながら作品を鑑賞していくことが特徴の芸術祭。コロナ禍に始まった本芸術祭は、2年間の開催を経て蓄積されてきた課題や交流を検討するために据えた今年のテーマは「Conversation(対話)」。地域を単に観光資源として盛り上げるだけではない、新たな芸術祭のあり方を模索している。

プロデューサーは「Sense Island -感覚の島-」も手がける齋藤精一、キュレーターはエリアごとに、井口皓太(吉野エリア)、KIKI(天川エリア)、西岡潔(曽爾エリア)が務める。参加作家には力石咲、NAZE、magma、MACCIU、松田将英、米澤柊、覚和歌子、西尾 美也、岩谷雪子、北浦和也、前田エマなどが名を連ねる。(2022年7月11日追記)

会場:奈良県吉野町、天川村、曽爾村
会期:9月17日〜11月13日
https://mindtrail.okuyamato.jp/

西岡潔 名前はまだない ©︎ 西岡潔 撮影:中森一輝

浅見悠吾(編集部インターン)

浅見悠吾(編集部インターン)

1999年千葉県生まれ。2021年6月からTokyo Art Beat エディターインターン。現代美術を中心に勉強中。現在、東京工業大学大学院在籍。